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名付けて「スケルッチャ!」−完成祝い式典

本紙掲載日:2022-04-19
1面

日向市が馬ケ背に整備−崖に突き出たスケルトン展望スペース

 日向市が同市細島の馬ケ背に整備を進めていたスケルトン突き出し展望スペースが完成し、15日に同所で竣工(しゅんこう)式があった。十屋幸平市長、黒木繁人市観光協会長代行、黒木高広市議会議長ら約20人が出席し、新たな屋外誘致施設、絶景スポットの完成を祝った。公募した愛称は、福岡市の会社員、伊地知綾香さん(34)が発案した「スケルッチャ!」に決まった。

 完成した同スペースは、海側に幅3・3メートル、奥行き約1・8メートル突き出しており、足元に広がる高さ約70メートルの柱状節理の断崖を強化ガラス越しに楽しむことができる。

 式では神事が営まれ、十屋市長、黒木会長代行らが玉串をささげて安全な運用を祈願。式辞で十屋市長は「馬ケ背の断崖絶壁の魅力をさらに創出するための整備。たくさんの旅行者でにぎわい、心から楽しんでもらえれば」と期待を込めた。

 愛称の「スケルッチャ!」は、全国から応募のあった1794点の中から選ばれた。命名者として式に出席した伊地知さんは「リズム感、ワクワク感、日向らしさを込めて、スケルトンと方言がうまく重なるように考えた。一人でも多くの人が日向市に興味を持ち、足を運ぶきっかけになれば」と話した。

 市によると、総事業費は約1900万円。同所には年間約15万人の観光客が訪れていたが、コロナ禍で同約9万人に減少。今回の整備で、新しい生活様式に対応した屋外観光施設、スリリングな絶景スポットとして観光誘客の回復、地域活性化の推進を目指す。


■日向岬の柱状節理(ちゅうじょうせつり)

 馬ケ背を含む日向岬の柱状節理は、約1500万年前の大規模な火山活動で火砕流が地表に堆積した後に、自重と熱によって溶結。冷却する際に収縮して四角形から六角形の規則的な亀裂が生じ柱状になったとされる。同岬では、日向灘の波による浸食を受け、良好に露出した柱状節理を連続的に観察できる。大規模噴火の痕跡を特徴づける学術的価値の高さ、岩石の緻密な性質、海岸浸食によって生み出された美しい景観が評価され、2018年2月に国の天然記念物に指定された。

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