女子もスラックス選択

男女差なく、機能性高い標準服

◆今月から採用−延岡市内８公立中学校

　延岡市内の公立中学校と、今年開校した義務教育学校「島野浦学園」の８校で今年度から、男女差がなく機能性の高い標準服（制服）が導入された。スカートのみだった女子生徒もスラックスが選べるなど、決められた範囲内で選択できるようになった。

　同市では昨年度、女子生徒からスラックス着用を希望する声が複数上がったため、市立中学校校長会が「標準服（制服）研究会」を発足。経済的負担の軽減、自由に選び着用できる環境を整えようと検討を重ねた。

　その結果、濃紺のブレザーに汚れの目立ちに配慮した濃いグレーのスラックスまたはスカートの好きな方を、また、学生服、紳士服メーカー５社の見た目や規格がほぼ同じ商品から、品質や価格を考慮して選択、購入できる環境を整えた。

　このうち北方学園中学校（池野宗宏校長）は、１２日にあった入学式で１年生２０人がスラックスとスカート、リボンとネクタイからそれぞれを選んで組み合わせ、真新しい制服を着て式に挑んだ。山内優里菜さんは「自由に選んで着ることができて制服の縛りが軽減されていると感じた。（メーカーによって）色など違いがあるが、それはそれでいい考えだと思う」、堀井大翔さんも「バリエーションが増えたことで選ぶのが楽しく、自分で選んだものがしっくりくる」と喜んだ。

　同校では、生徒総会で制服変更の要望が上がり、当時の三樹浩二校長（現・岡富中校長）が校長会で紹介し、研究会発足に至った。生徒会はその後、アンケート調査を行い、結果が今回の標準服にも生かされている。山内さんは「幅広い選択ができるようにしたり、できるだけ安くしてくださったり、とても心が楽になった」と話し、研究会で中心的な存在を担った三樹校長も「女子生徒でスラックスを選んだ生徒は多く、違和感なくはいている。採用して良かった」と手応えを感じている。

　市内では来年度から新たに採用を考えている中学校もあり、自身が選んだ制服を着用できる動きが広がりそうだ。