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老健あたご−インドネシアから3人

本紙掲載日:2022-05-21
8面
技能実習生の(前列右から)アッザーラさん、フェピさん、ジョアニナさん。奥は佐藤理事(右)と荒木施設長(延岡市中島町ののべおか老健あたご)
利用者と体操をするインドネシア人の技能実習生3人

介護技能実習生が奮闘−延岡

 延岡市中島町の介護老人保健施設のべおか老健あたごで、インドネシア人の介護技能実習生3人が現場実習をスタートした。母国から遠く離れた地で笑顔を絶やさず頑張る若者の初々しい姿を、利用者らも温かく見守っている。

◆エリート候補生から受け入れ

仕事への意欲高く−周囲も刺激、相乗効果も

 技能実習に励んでいるのはアッザーラ・サニオシ・フェガさん(20)=愛称・ザラ=、フェピ・プラメイスティさん(19)=フェピ=、ジョアニナ・アマラルさん(20)=ニナ=の女性3人で、3月に首都ジャカルタからそろって来日。福岡県で同郷の仲間と集団生活を送りながら日本のルールや生活について学んだ後、先月25日から老健あたごでの実習に入った。

 ジャカルタでは3年間、看護専門学校に通い、日本語での会話や、漢字、片仮名を含む文字の読み方、書き方も学んだエリート生。3人とも将来は母国で病院開設に携わりたいという。

 老健あたごは東南アジアの若い人材を応援しようと外国人技能実習の制度を利用。新型コロナウイルス感染拡大の影響でスタッフが現地に向かえない中、昨年4月にオンライン面接を行い、「国のため、地域のために頑張っている姿勢に心打たれた」(佐藤豊子理事)と、エリート候補生の中から受け入れを決めた。

 3人とも介護福祉士の資格取得を目指すため、実習期間は制度で認められる最長の5年間を希望。施設利用者は、完全個室の10部屋を1ユニットとする家庭的な雰囲気で生活を送っているが、ザラさん、フェピさん、ニナさんは漢字での氏名記入も含め、受け持った利用者20人の顔と名前をすぐに覚えたという。

 食事やお茶の提供、台所周りの作業などもスムーズにこなし、「仕事の飲み込みがとても早い」と同施設介護課の是則和賢主任。仕事に対する高い意欲に、「教えがいがあり、周囲の職員も刺激を受けて相乗効果になっている」と評価している。現在は先輩職員に付いて、排せつや入浴の補助を学んでいるという。

 周囲からの期待に対し、ザラさんは「日本は人が丁寧でいいところがたくさんあり、きれいな国。頑張って介護を学びたい」。フェピさんは「先輩方を見ていると介助やおむつ交換は大変と思うが、いろんなことを教えてもらってありがたい」。ニナさんも「(利用者の)おじいさんやおばあさんとあいさつしたり、手伝うとうれしくなる」と、目を輝かせた。

 無駄遣いをしない倹約な暮らしぶりにも、年配者から好感を抱かれているという3人。荒木早苗施設長は初めて受け入れる外国人技能実習生について、「勤勉で笑顔がとてもいい。立派な人材に育ってほしい」とエールを送った。

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