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「ミャンマーを忘れない」

本紙掲載日:2022-06-20
1面
ミャンマーで撮影した写真を見せながら、クーデター後の同国の状況を話した富山さん

28日から写真展−土々呂町の極楽寺

◆JICA国際協力アドバイザー・富山さんが企画

 「ミャンマーを忘れない」と題した写真展が、28日から7月7日まで、延岡市土々呂町の極楽寺で開かれる。昨年2月の国軍によるクーデター以来、民主派への弾圧が続く同国の困難に目を向けてほしいと、延岡市緑ケ丘在住のJICA九州宮崎県北地域国際協力アドバイザー富山隆志さん(69)が企画した。多くの来場を呼び掛けている。入場無料。

 毎日のように現地とメールやチャットでやり取りしている富山さんによると、ミャンマーでは現在、都市部は落ち着いて見えるが、山間部では、そこに暮らす少数民族や都市部から逃げ込んだ軍政の反対者と国軍とのゲリラ戦が続いている。平穏に見える都市部も、学校は再開されておらず、国立病院も機能していないという。

 クーデター前に政権の座にあった国民民主連盟(NLD、アウン・サン・スー・チー党首)は、税制を制定しようとしていた。自由にビジネスができ、利益を税金として国に納める税制ができれば経済が成長する。その期待から、日本を含む海外企業が同国に進出。延岡市との人材・経済交流も深まりつつあった。2014年に延岡・ミャンマー友好会が発足。これまでに研修生と関係者計約150人を受け入れたが、コロナ禍で20年2月から中断。クーデターが起こったのはその1年後だった。

 「延岡に来た人で内戦のため亡くなった人はいないが、3回も来延し、今後の交流の核となるはずだった女性(40代)がコロナで亡くなった。国軍に投獄された人も1人いる」という。

 写真展を企画したのは、来延した研修生を気遣い、「何かできないか」との声を聞いたことがきっかけ。

 14〜19年に自身が最大都市ヤンゴン、首都ネピドー、古都マンダレー、インドに近い町モンユワなどで撮影した33点を展示する。富山さんは当時、延岡との経済交流の打ち合わせのため、年2、3回行き来していたという。
経済交流の中で友好会が贈った清本鉄工の食品加工機「真空フライヤー」を使って現地で作られた果物のチップスのほか、バッグ、靴、書籍、コーヒー豆など現地の生活用品も併せて展示する。研修生の延岡でのホームステイや研修の様子を記録した動画も流す。

 「ミャンマーの生活、文化、自然を感じてもらえればうれしい。ロシアのウクライナ侵攻以降、ミャンマーに関する報道が減っているが、困難な状況が続いていることを忘れないでほしい」と話した。

 極楽寺での開催は午前11時から午後5時まで。会期中の7月3日にはトークイベントも予定している。午後3時から同寺の柳田泰宏住職による祈りと講話。同4時から富山さんがミャンマーとの交流について話す。

◆日向市でも7月17日に公開

 7月13〜17日には、日向市日知屋の英語塾サンシャインアカデミーで展示する。このうち最終日午後1〜4時は一般公開。無料で誰でも入場できる。

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