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ヒラメ、カサゴの稚魚放流

本紙掲載日:2022-06-22
8面
岸壁から稚魚を放流する児童(17日、熊野江港)

岸壁から海へ「大きくなって」熊野江小の児童8人

 延岡市立熊野江小学校(田中芳郎校長)の児童8人が17日、地元の熊野江港でヒラメやカサゴの稚魚を放流した。県水産振興協会(岩田末幸理事長)が協力。児童は地域の恵まれた自然環境や命の大切さについて改めて学んだ。

 同協会を訪れた児童はまず、施設内を見学。生まれて38日目の2センチほどのカンパチを飼育水槽で見たり、9センチほどに成長したヒラメの餌やりを体験したりした。

 この後、近くの熊野江港でヒラメ、カサゴの稚魚200匹を放流。職員から魚の入ったバケツを受け取り、木製の滑り台を利用して岸壁から海へ。「大きくなって帰ってこいよ」と何度も声を掛け、名残惜しそうに見送った。

 取り組みは毎年行っており、6年生の上妻愛実さん、甲斐天陽さん、萱野真海さん、安田莉子さんの4人は最後の体験となった。上妻さんが代表で、「毎年楽しみにしてきた。寂しいけど、この海を守るため清掃など続けていきたい」とあいさつ。初めて体験した1年生の阿波野章澄さんは「楽しかった。大きくなってほしい」と話した。

 県水産振興協会は、水産資源の回復などを目的に施設内で10種の魚を飼育。3種を放流用、7種を養殖用に卵から育てている。年間250万匹ほど取り扱い、各地に放流したり、県内外に養殖用として提供したりしている。

 同協会の伊東正博事務局長は「この放流を体験できるのは熊野江小だけ。誇りに思ってほしい」。田中校長も「熊野江のきれいな海で体験学習できる素晴らしさを、もっと感じてほしい」と子どもたちに呼び掛けた。

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