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耐震補強工法を見直し

本紙掲載日:2022-07-18
1面
岡富中学校の「からみれんが塀」。建造から100年以上もの間、市民に親しまれている

岡富中のからみれんが塀−大正年間に建造

◆8月4日まで意見募集−延岡市教委

 延岡市本小路の岡富中学校で、築100年以上たつ「からみれんが塀」の耐震補強を行う同市教育委員会は、予定していた工法を見直した。軟弱な地盤があったためで、くい基礎や繊維系補強材などを使った軽量な工法を採用する。市教委は、見直しに関する市民の意見を8月4日まで募集している。

 同校南側の道路沿いに連なる塀は、長さ122メートル、高さは道路側が2・1メートル、校庭側は1・16メートル。1915(大正4)年に建造され、100年以上もの間、市民に親しまれてきた。

 市教委は2020年、保存の可能性や方法などについて専門機関に調査を委託。その結果、建築基準法が定める耐震基準を満たしていないことが分かった。

 保存を望む市民の意見や、同校周辺の地区が市景観条例に基づく景観形成重点地区に指定されていることもあり、からみれんが塀のある現在の景観維持を重視。コンクリート基礎と鉄骨部材で補強するA案(概算工事費7800万円)、コンクリートの基礎と壁で補強するB案(同4000万円)を検討し、工事のしやすさや費用などからB案を採用した。

 しかし、地盤の状況を詳しく調査したところ、軟弱な地盤があることが判明。コンクリートによる補強では重さで沈下してしまう恐れがあるため、工法の見直しが必要になったという。

 より軽量な補強工法として、A案を基に、コンクリート基礎をくい基礎に変更。建物など構造物に使われる繊維系補強材を塀の裏側(学校敷地側)全面に接着し、無収縮モルタルと鉄骨補強材で支える。

 また、塀の上部にある笠木れんがは撤去し、全体を軽量化。表側(道路側)には目地補強材を挿入する。概算工事費は、A案と同額の7800万円となる。
工法見直しの内容については、概要を市公式ホームページで公表するほか、市教委総務課(市役所4階)、情報公開センター(同2階)、市民スペース(同1階)、各総合支所市民サービス課、各支所、各コミュニティセンターなどで縦覧できる。

 意見の提出は、住所、名前、年齢を記入し、市教委総務課、各総合支所市民サービス課、各支所の窓口まで。郵送の場合は〒882―8686延岡市教育委員会総務課まで。ファクス(延岡22・7037)、電子メール(ksoumu@city.nobeoka.miyazaki.jp)でも受け付ける。電話や口頭では受け付けない。

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