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第26回若山牧水賞−宮崎市で授賞式

本紙掲載日:2022-07-19
1面
若山牧水賞を受ける黒瀬珂瀾さん
若山牧水の大きな写真が掲げられた若山牧水賞授賞式会場

受賞作・第4歌集「ひかりの針がうたふ」

◆黒瀬珂瀾さん、娘を育てる日々を詠む

 第26回若山牧水賞の授賞式は18日、宮崎市のニューウェルシティ宮崎で開かれ、第4歌集「ひかりの針がうたふ」(書肆侃侃房発行)で受賞した黒瀬珂瀾(くろせ・からん)さん(44)=富山市在住=に賞状とトロフィーを贈った。当初は2月に予定されていたが、新型コロナウイルスの影響で延期されていた。主催は県、県教育委員会、延岡市、日向市など。

 若山牧水賞運営委員会委員長の河野知事は「受賞を機に今後さらに飛躍することを心から期待する。賞を通じて人や自然への思いあふれる牧水の短歌の素晴らしさと、牧水を育んだ宮崎の文化の豊かさを全国に発信したい」とあいさつし、黒瀬さんに賞状とトロフィーなどを手渡した。

 黒瀬さんは、受賞した歌集について「博多の地で2年間、妻と一緒に娘を育てる日々を詠んだ」などと説明した上で、「それは私にとっては旅の時間だが、その旅というポイントで牧水とのご縁を頂けた。受賞者の一人として賞を汚すことのないよう稼業にまい進したい」と話した。

 続いて授賞式記念講演があり、同賞の選考委員で歌人の伊藤一彦氏が「いざ行かむ、いざ詠まむ―若山牧水賞と牧水の今」と題して話した。

 同賞は日向市東郷町坪谷に生まれた国民的歌人・若山牧水の業績を顕彰し、短歌文学界の発展に貢献することを目的に1996年に創設した。審査は選考委員会が全国の有力歌人にアンケートを行い、上位に選ばれた歌集を審議し、決定した。

 黒瀬さんは大阪府生まれで、大阪大学大学院文学研究科修士課程を修了。2003年に歌集「黒耀宮」で第11回ながらみ書房出版賞、16年に歌集「蓮喰ひ人の日記」で第14回前川佐美雄賞などを受賞している。短歌結社「未来短歌会」会員、読売歌壇選者など。

 黒瀬さんは19日午後3時から日向市の市中央公民館で同賞の受賞記念講演会を開催。翌20日午前中には牧水の母校、延岡市の延岡高校を訪問し、短歌を通じた生徒たちとの交流を予定している。

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