強い危機感も、行動制限行わず

知事、感染防止対策の徹底訴え

　新型コロナの感染者が初めて２０００人を超えて過去最多となった２１日、河野知事は、「高齢者や基礎疾患を有する方の命に関わる事態、医療逼迫（ひっぱく）、社会経済活動への影響が懸念される」と強い危機感を示し、感染防止対策の徹底を呼び掛けた。

　知事は、直近１週間の人口１０万人当たりの新規感染者数が、日向・東臼杵圏域以外の圏域で「過去最多を更新した」と説明。ＢＡ・２系統の約１・３倍の感染力を持つ「ＢＡ・５系統への置き換わりが爆発的な感染拡大の背景にある」と述べた。

　自宅療養者に対する支援物資の配送については、療養者の急増に伴い時間がかかっている現状から「もしもの時に備え、１週間程度の食料や常備薬などの備蓄を心掛けてほしい」と話した。

　ワクチンの３回目接種に関しては、３０代以下の接種率が低い状況を踏まえ「自身のリスクを低く抑え、大切な人の命を守るためにも追加接種を」と訴えた。

　国の方針に従い、県外への往来自粛や飲食店への時短営業の要請など、社会経済活動の行動制限は現段階で行わない考えを示した一方、１０万人当たりの感染者数が全国ワースト１位の沖縄県の対策を参考にし、行動要請などの「内容とタイミングを検討したい」と話した。

◆みなし陽性導入を検討

　また、医師が、発熱などの症状を発症した濃厚接触者を検査せずに臨床診断で感染者とする「みなし陽性」の導入を検討していることを明らかにした。医療機関の負担軽減が目的で、医師会などと相談して進めるという。