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BA・5対策強化−県全域を指定

本紙掲載日:2022-08-05
1面

医療、くらしを守る

◆県民、事業所に改めて行動要請−県

 政府は4日、独自の医療緊急警報などを出している宮崎県を新たにBA・5対策強化地域に指定した。これを受けて県は同日、県全域を対策強化地域に指定した。河野知事が県防災庁舎で会見を開いて発表した。指定期間の31日まで、県民や事業者に行動要請を改めて求める。

 指定は高齢者、医療、暮らしを守るための措置。県民、事業者への行動要請、医療機関などの逼迫(ひっぱく)回避に向けた取り組みを進める。

 県民に対しては、高齢者や基礎疾患のある人との接触機会を減らすこと、また、混雑した場所への外出・移動を控えること。さらに基本的な感染防止対策のマスク、手洗い、換気を徹底するよう要請。

 事業者には、テレワークや時差出勤の促進や療養を終えて職場復帰などの際に検査証明の提出を求めないことなどを求めた。

 病床使用率が50%を超えたものの、県独自の医療非常事態発令に至らなかったのは、強い行動要請に伴う社会経済活動への影響を総合的に判断したためという。

 ただ、河野知事は感染状況が悪化した場合には同宣言を発令する考えを示し、「感染拡大を防ぎ、リスクの高い方を守る。そして医療逼迫を防ぎ、社会経済活動を守れるよう、理解と協力をお願いしたい」と呼び掛けた。

 国による「BA・5対策強化宣言」は病床使用率が50%を超えるなど医療機関の負担増が認められる場合に都道府県が外出自粛などを呼び掛けやすいようにする制度。

 同宣言が発出されれば、都道府県は政府から対策の助言などを受けられるようになる。

 医療の逼迫を踏まえて4日、栃木、千葉、京都の3府県が対策強化宣言の発出を決めた。政府は同日、宮崎、沖縄の計5府県を新たに対策強化地域に指定した。

 宣言は7月29日に都道府県と国が連携してBA・5対策強化を図るために創設。これまでに、埼玉、神奈川、愛知、熊本、鹿児島各県が発出している。

◇医療逼迫回避へ2センター・自宅療養の初期治療、陽性者登録

 河野知事は4日、入院、外来診療や検査医療機関の逼迫回避のため、宮崎市に自宅療養者初期治療センターと陽性者登録センターを設置すると発表した。登録センターの運用開始は8日から。治療センターも同日をめどに運用するという。

 自宅療養者初期治療センターは、旧重症化予防センターを活用。自宅療養者のうち、食事が取れなかったり症状が悪化した患者に点滴や処方を行う。来所日程などは、保健所などが調整、判断する。

 開所時間や曜日は調整中。同市に設置するため、県央の患者が主な対象となる。県北を含め、他の圏域に同治療センターのような拠点を整備できないかどうか、現在検討しているという。

 陽性者登録センターは、40歳未満で基礎疾患を持たない有症状者に抗原定性検査キットを郵送、もしくは宮崎港近くにある命の丘の駐車場で、ドライブスルー形式で配布する。

 対象者は、特設サイトからインターネットで申請。自主検査によって陽性が判明した場合、同サイトで陽性者登録を行う。医師により陽性が確定された後は、訪問看護ステーションなどから健康観察を受けることになる。

 河野知事は「医療機関や救急現場の負荷が増大している」と危機感を示し、「一人ひとりがそれぞれのリスク、症状に応じて可能な限り医療逼迫を防ぐために協力してほしい」と呼び掛けた。

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