景観生かし地域づくり推進

本紙掲載日：2022-08-10

8面

付箋に書き込んだ意見を模造紙に張る参加者

高千穂町役場で開かれた「第８回美しい宮崎づくり☆作戦会議」

高校生ら理想の地域像探る－高千穂

　景観を生かした魅力的な地域づくりに取り組む団体のうち、県の登録を受けた活動団体が県民と意見を交わす「第８回美しい宮崎づくり☆作戦会議」はこのほど、高千穂町役場であった。町職員や県立高千穂高校グローカルプロジェクトインターアクト班の生徒ら１９人が参加、登録団体による活動事例の発表や意見交換を通じて理想の地域像などを語り合った。

　活動団体の登録制度は、県が、宮崎の美しい景観を次世代へ引き継ごうと定めた「美しい宮崎づくり推進計画」の一環。登録されると、地域づくり活動に関する補助金の受給や県の各種媒体で情報発信ができるなどのメリットがある。

　同会議は、県民に登録団体の取り組みを知ってもらい、活動への参加や団体間の連携を促すことなどが狙い。推進計画が定められた２０１７年から県内各所で毎年２～３回ほど開いている。今回は新型コロナウイルスの影響で３年ぶりの開催となった。

　この日はまず、同町観光協会の飯干隆佑係長（３３）と日之影町森林セラピー推進協議会の杉本憲亮係長（４３）＝地域振興課商工観光係＝が、所属団体の活動事例を紹介した。

　飯干さんは、高校生が小学生に高千穂神社と高千穂峡を案内して回るボランティアガイド活動を、杉本さんは町土の約９０％を占める山林を活用した幼稚園児向けの森林セラピー体験などを近年の取り組みとして挙げた。

　その後、飯干さんと杉本さんを中心にＡ、Ｂの２班に分かれ、「若者が景観形成や文化保全に関するボランティアに興味を示すにはどうすればよいか」をテーマに意見を交わした。

　意見交換は、ブレインストーミング方式（集めた意見を分類してまとめる手法）で進行。「ＳＮＳ（ソーシャル・ネットワーキング・サービス）で発信する」「学校で呼び掛ける」などと記入した付箋を模造紙に張り合い、各班の代表者が総括を発表した。

　Ａ班代表の富髙乃彩さん（１６）＝高千穂高２年＝は「役場で会議と聞いて不安だったが、明るく迎えてくれて安心した。地域に関わることができてうれしい」。Ｂ班代表の奈須悠真さん（１７）＝同＝は「このような取り組みを通してボランティアに参加する人が増えれば良いと思う」と感想。

　主催した県美しい宮崎づくり推進室の迫節夫室長（５４）は「西臼杵郡は地域づくりに対して特に力を入れている地域の一つ。地元で活動している人や活動内容を知ることで、未来を担う若者にも活動の輪が広がっていけば」と話した。