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「医療非常事態宣言」発令

本紙掲載日:2022-08-12
1面
「医療非常事態宣言」の発令を発表し、行動要請への協力を呼び掛ける河野知事

県独自の警報の最高レベル−31日までめど

◆お盆で人流増加−新たな行動要請

 県は11日、新型コロナウイルス感染症の対応方針に関する県独自の警報区分(3段階)の最高レベル「医療非常事態宣言」を発令した。爆発的な感染拡大で県内の医療提供体制が逼迫(ひっぱく)し、医療崩壊の危機に直面しているため。今月31日までをめどに、身近な人以外との接触機会を減らすなどの行動要請を県民に求める。

 対策本部会議で決定した後、河野知事が記者会見を開いて感染状況などとともに行動要請のポイントなどを説明。「人流増加が想定されるお盆休みを前により強いメッセージが必要だと判断した」などと述べた。終期は医療のひっ迫状況などを見極めて決める。

 本県の直近1週間(4〜10日)の人口10万人当たりの新規感染者数は1605・6人で、沖縄県に次いで全国2位。10歳未満や10代など若者世代を中心に感染が急増しているが、最近では90代への感染も増加傾向にあり、注意が必要という。

 病床使用率は10日時点で過去最高の51・7%まで上昇。入院患者の8割が看護度の高い高齢者に加え、医療従事者の感染や濃厚接触による人員不足などで医療機関は病床使用率の数字以上にひっ迫し、一部で手術や入院の延期などの影響がみられるため、早期の感染抑制が急務となっている。

◆普段会わない親戚や友人とは控えて−大人数、長時間の会食

 新たに求める主な行動要請の一つは、「いつも一緒にいる身近な人以外との接触機会を減らす」。外出や移動は家族などと行うほか、普段会わない親戚や友人との大人数・長時間の会食や集まりを控え、感染リスクの高い場所への外出や移動の自粛を呼び掛ける。

 二つ目はイベントに関する内容で、規模や内容などを踏まえ、開催について慎重に判断の上、延期できるものは延期するよう協力を求めている。

 引き続き、混雑した場所や感染リスクの高い場所への外出・移動の自粛や高齢者施設などの対面での面会制限、会食時の「1卓4人以下、2時間以内」などの行動は要請。無料検査の受検やワクチン接種の積極的な検討、基本的な感染防止対策の一層の徹底も求める。

 会見には県医師会副会長で県新型コロナ対策協議会会長の山村善教医師も同席。「一般の治療が必要な人を受け入れられない、救急車が入れないなどの状況も出てきている。これ以上感染が広がると救える命も救えなくなる」と医療現場の窮状を訴えていた。

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