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五ケ瀬川上流に産廃最終処分場

本紙掲載日:2022-09-12
1面
熊本県山都町の最終処分場建設計画について意見が交わされた勉強会(延岡市内)

熊本市の業者が計画

◆山都町の山林約18万平方メートル−4年後に着工か−延岡市内で勉強会

 高千穂町と五ケ瀬町に隣接する熊本県山都町蘇陽地区で進められている産業廃棄物最終処分場の建設計画についての「環境アセスメント勉強会」が11日、延岡市内であり、五ケ瀬川流域の住民ら約70人が参加。建設反対を訴える現地住民らの話を聞き、情報を共有した。

 建設を計画している熊本県の星山商店(本社・熊本市、星山一憲社長)によると、山都町東竹原西大道(にしだいどう)の山林18万6460平方メートルに、埋立容量200万〜300万立方メートル、埋立期間30〜60年の管理型最終処分場と中間処理場を整備予定という。

 4年後の2026年度から着工、28年度に運用開始し、家庭ごみ、汚泥、廃油、廃プラスチック類、紙・木・繊維・ゴム・金属・コンクリート・陶磁器のくず、がれき類、ばいじん、廃石綿などの受け入れを計画している。

 一方、地元住民によると、建設予定地の中央部を横切るように流れる川は五ケ瀬川に注ぐ支流で、敷地内には複数の湧水が存在。同社は埋め立て地の周囲を遮水シートなどで囲い、雨水などを地下に浸透させないようにして、監視用井戸で水質を調査しながら、法律基準内に浄水処理して河川に放流するとしている。

 説明会には地元で農林業を営む「東竹原産廃阻止期成会」の栗屋克範代表(70)が駆け付け、施設規模があまりにも大きく、阿蘇山火口から約13キロしか離れていないとして地震災害などを懸念。「業者は基準値内に水を処理して川に流すから問題ないとしているが、放流するのは湧水ではない。下流域への影響は計り知れない」などと訴えた。

 来場者からも、「広大な山林伐採で雨水が蓄えられなくなり、洪水が増えるのではないか」「もし業者が撤退した場合の補償はどうなるのか」「熊本側には流れない。なぜ五ケ瀬川の源流域に造るのか」など、不安や疑問の声が多く聞かれた。

 今後4、5年にわたり熊本県知事の設置許可に必要な環境影響評価(アセスメント)が行われ、今後提出される環境配慮書、方法書、評価書には市民意見が反映されるとして、参加者はさまざまな観点から意見・質問を挙げていくことで一致。18日には日向市でも勉強会を計画している。

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