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身近な海の生態を学ぶ

本紙掲載日:2022-09-15
8面
海の動物に触れるなどして理解を深める宮崎大学公開講座「海を知る2022」の受講者

宮崎大学、延岡で公開講座

 宮崎大学による公開講座「海を知る2022」が、延岡市社会教育センターを会場に開かれている。24日までの全4回シリーズで、市民らが身近な海について楽しみながら学んでいる。

◆無脊柱動物触って観察

 このうち初回の3日は、同大学農学部フィールド科学教育研究センター・延岡フィールド(赤水町)の内田勝久教授が「海に生きる無脊椎動物の世界〜背骨がなくてもすごいんです!」をテーマに講義。受講者は実際に生き物に触れながら、関心を深めた。

 内田教授は地球上には脊椎動物が4万5千種いるのに対して無脊椎動物は約95万種にも上るとして、「動物の世界は、背骨を持たない動物たちの世界」と説明。脊椎動物の中で、人間を含む哺乳類はわずか5千種にとどまることも紹介した。

 原始の単細胞生物が多細胞となり分化したサンゴやイソギンチャク、クラゲなどの刺胞動物、ゴカイなどの環形動物、貝類やウミウシ、タコなどの軟体動物、エビやカニなどの節足動物、ウニやヒトデ、ナマコといった棘皮(きょくひ)動物などの構造や特徴を解説。

 雌雄のエビがその中で一生を過ごすことから「ビーナスの花かご」とも呼ばれる海綿動物のカイロウドウケツ(偕老同穴)なども図解し、受講者は興味深く耳を傾けていた、

 また、内田教授が海で捕獲した無脊椎動物や標本を会場に持参し、受講者は手に持ったり指で押さえたりしながら観察。サザエが体の筋肉を左右交互に動かしながら移動する仕組みなどを、間近に見て理解した。

◇みやざきサクラマスの養殖解説

 第2回目の10日には、宮崎大学発の学生ベンチャーとして起業したSmolt(スモルト)の上野賢社長が、同社で取り組む「みやざきサクラマス」の養殖について説明。淡水魚のヤマメが海に下ることで大型化してサクラマスへと成長する習性を内田教授が研究して開発された養殖技術や、魚肉だけでなく魚卵の「つきみいくら」も希少品として取引されるなど、新たなビジネス展望が報告された。

 17日には海の微生物研究によって期待される可能性、最終日の24日にも刺し身のおいしい厚さなど、多彩なテーマを企画。なお、参加申し込みはすでに締め切っている。

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