安産祈願、出産のお礼も

本紙掲載日：2022-09-23

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早朝から参拝者を出迎え得た別府町の虎御前（２３日午前、延岡市別府町）

祭壇に向かって手を合わせる（右から）山野内叔子さん、晴琉ちゃん、梨心さん（延岡市大貫町）

彼岸の中日「虎御前」ご開帳

　「秋分の日」の２３日、子授けや安産の神様として信仰を集める虎御前のご開帳が、延岡市大貫町虎御前神社と別府町の虎御前社で行われた。春と秋の年２回、彼岸の中日に行われる伝統の祭りで、出産を終えたお礼や、安産を祈願する人たちが、早朝から訪れて手を合わせた。

◆高齢者クラブがおもてなし－別府町

　別府町の虎御前社では毎年、地元の高齢者クラブ「青葉会」が祭りを主催している。今回も会員２３人が前日までに掃除や設営の準備をして訪れる参拝者をもてなした。

　生まれてくる子どもの安産を願う家族連れらの姿があり、午前８時には最初の参拝者があったという。訪れた人はろうそくや線香を手向けて手を合わせ、安産祈願や、無事に赤ちゃんが生まれたことへの感謝をささげるなどしていた。

　延岡市古城町の芦谷幸子さん（６６）は、８月に３女の元に生まれた孫のお礼で参拝。「３月の春分の日には安産祈願に訪れました。ご利益をいただきまして元気な男を授かりました。今回はお礼参りに来ました」と笑顔を見せていた。

◆参拝者に紅白餅と赤飯－大貫町

　延岡市大貫町６丁目の虎御前神社には、午前１０時前から安産祈願、無事出産できたお礼、子宝に恵まれることを願う人たちが三々五々訪れ、ろうそくや線香を供えて手を合わせた。

　近くに住む山野内叔子（すみこ）さん（７５）は孫の梨心さん（７）、晴琉ちゃん（５）を連れて参拝した。初孫（１２）が生まれる前から年２回の彼岸に欠かさず訪れているという。「孫がみんな元気に成長できますようにとお願いしています」と叔子さん。梨心さんは「ピアノが上手になりますようにとお願いしました」、晴琉ちゃんは「バレーボールが好き」と話していた。

　同神社は、近くの栁田太宏（たかひろ）さん（５２）方が世話している。２２日は紅白の餅をつき、２３日は早朝からかまどで赤飯を炊いて準備。その年の月の数だけ供えることが決まりになっている紅白餅１２重ねを祭壇に供え、参拝者には、護符として紅白餅を、赤飯を添えて手渡した。

　妻の吉子さん（５１）、太宏さんの姉の栁田和美（むつみ）さん（５８）は「お堂で、煮しめや赤飯を食べてもらうのが本来の姿ですが、コロナ禍でこの２年できていないのが残念です」と話していた。