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延岡市で開催九州考古学会

本紙掲載日:2023-08-18
1面
延岡市で開かれた九州考古学会夏季大会

県内外の歴史研究家が集結

 九州考古学会(会長・宮本一夫九州大学教授)の夏季大会が2日間の日程でこのほど、延岡市本小路のカルチャープラザのべおかハーモニーホールで開かれ、県内外から歴史研究家ら200人近くが来場。九州各地の学芸員らによる郷土史資料・史跡の調査・研究成果などの報告を聴講した。

 夏季大会は隔年で地方開催しており、今年は宮崎考古学会(長津宗重会長)が共催。「九州東部地域における小藩の城下~その成立と展開に関する考古学的追究」をテーマに開いた。

 1日目はまず、九州大学比較社会文化研究院の中野等教授が「東九州地域における近世的秩序の形成」の演題で講演。中世から近世にかけて武家権力による改易が繰り返され、幕府直轄領が張り巡らされることで支配領域の分断が進み、小藩分立へとつながっていった歴史をひもといた。

 また、北九州市立大学非常勤講師で日本考古学協会会員の佐藤浩司さんが小倉城下町発掘調査の成果を発表。その後、2日目にかけては大分、宮崎、鹿児島県の各市町教委などが小藩の城下の成り立ちや発展過程を探る発掘調査成果などを報告し合った。

 県北関連では延岡市文化財・市史編さん課が延岡藩、県埋蔵文化財センターが近世日向国の概要について発表。地元史談会からも多くの会員が参加し、藩・領域の中枢を担う城下の共通性や個々の独自性について興味深く耳を傾けた。

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