石井楓子さんピアノ・リサイタル

本紙掲載日：2021-03-10

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音楽家育成のアヤメ基金－２５日、延岡で初開催

　スイスのバーゼル音楽院で学んだピアニスト石井楓子（ふうこ）さん＝神奈川県出身＝のリサイタルが、２５日午後６時３０分から延岡市東浜砂町の延岡総合文化センター大ホールで開かれる。若手音楽家育成アヤメ基金（野川等理事長）が、若い演奏家に演奏の機会を設けようと行うもので、延岡市では初開催。来場を呼び掛けている。

　石井さんは桐朋学園大学卒業、同大研究科修了。２０１３年第８２回日本音楽コンクールピアノ部門第１位。１５年から渡欧し、ケルン音楽大学（ドイツ）を経て、バーゼル音楽院修士課程・演奏家課程を共に最高点で卒業。１９年、第２６回ブラームス国際コンクール第３位、第２回ドイツ・ブラームスコンクール優勝。今後、国内外のオーケストラとの共演やドイツ・ブリュートナー社によるＣＤ発売が予定されている。

　延岡公演では、ベートーベンのソナタ第２３番「熱情」、「六つのバガテル作品１２６」、ブラームスの「四つの小品作品１１９」、ラフマニノフの「プレリュード２３－４」を演奏する予定。

　同リサイタルは、延岡市の医師で、昨年３月１７日に亡くなった井上清美さん（享年９１）の追悼公演の意味もある。

　井上さんが晩年、年１回の楽しみにしていた海外旅行の最後の行き先はスイス。同行者の土井裕子さんが、先に知り合っていた同基金の野川理事長（バーゼル在住）を紹介した。バーゼルには「スコラ・カントルム」という著名な音楽大学があり、野川さんは、同大で学ぶ日本や韓国の留学生を応援する活動をしている。野川さん自身が精神科の医師でもあったことで、井上さんと意気投合したという。

　井上さんは間もなく一周忌を迎える。「清美先生は音楽が大好きだったので、きっと喜ばれると思う。ぜひ多くの人に、天国の清美先生と一緒に聞いていただきたい」と土井さん。

　チケットは千円。延岡総合文化センターの他、井上さんが設立した市民グループ「のべおか未来の会」の会員、土井さんが館長を務めるリバーパル五ケ瀬川（牧町）、セレクトショップ「アルフィー」（北町）で扱っている。問い合わせはリバーパル（℡延岡４２・３００５）まで。