気分は伊能忠敬！－親子で地図作りに挑戦

本紙掲載日：2021-03-12

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一歩一歩数えながら、測量する親子

オリエンテーリングコンパスを使い、北に対する角度を測定

　延岡市教育委員会社会教育課主催の「気分は伊能忠敬！地図作り親子体験」が７日、延岡市社会教育センターと五ケ瀬川右岸側堤防であった。市内の小学５、６年生と保護者８組が参加。実際に歩いて得たデータで、地図作りに挑戦した。

◆「導線法」で測量

　初めて実測による日本地図を完成させた伊能忠敬（１７４５～１８１８）は、延岡に２回滞在して測量したとされる。郷土の歴史に関心を持つこと、ふるさとの景観を丁寧に眺めること、手作りの面白さを体感することなどを目的に、社会教育指導員の松﨑光彦さん（６７）らが中心となって企画した。

　親子は、伊能が測量に用いたとされる「導線法」を体験。小雨の降るあいにくの天気の中、透明なプレートに透明なコンパスがセットになっている「オリエンテーリングコンパス」と歩数だけを頼りに計測した。はかまとかつらを着けて伊能に扮（ふん）した職員や中高生のジュニアリーダーが持った「梵天（ぼんてん）」と呼ばれる目印まで、一歩一歩数えながら進み、北からの角度、歩数を親子で協力して記録した。

　同センターに戻って作図開始。１０歩を４ミリとして換算したデータと３６０度の分度器、定規、鉛筆を使い、方眼用紙上に、歩いた道のりを再現した。１時間足らずで完成させた。

　父親と参加した瀧口瞳さん（岡富小６年）は「伊能忠敬や測量方法を詳しく知りたいと思って参加した。同じ歩幅で歩いたり、作図したりするのは難しかったが、歩いたのが形になってうれしかった。またやってみたい」と話した。

　自身の趣味として地図作りを楽しんでいたという松﨑さんは、「周回コースはもっと難しい。金堂ケ池とか試してみて」と呼び掛けた。この日は、ドローンで撮影した写真との見比べも行った。