思い出胸に、新しい学校へ

田代小が閉校式−美郷町西郷

◆来月から「西郷義務教育学校」

　美郷町立田代小学校＝西郷＝（島木良浩校長）の閉校式が２６日、同校体育館で行われた。３１日で１４７年の歴史に幕を下ろし、西郷中学校と統合。４月から県内初の義務教育学校「西郷義務教育学校」として再出発する。

　閉校式の出席者は約１００人。１年生から５年生までの児童５５人と教職員、保護者、田中秀俊町長らに加え、前日卒業したばかりの６年生も全員駆け付けた。

　島木校長は「田代小学校は閉校するが、私たちがここで過ごした歴史と伝統は色あせることなく、より深く心に刻まれる。４月からは義務教育学校に生まれ変わる。夢と希望を持って新しい時代へ踏み出すための閉校でもある」と式辞。

　田中町長は「１４７年間もの長きにわたり築かれた伝統と崇高な精神は、ここにいる田代小学校の児童にしっかりと受け継がれ、西郷義務教育学校に持っていけると信じている」と述べた。

　この後、５年生の矢口奈々さんが「大好きな田代小学校」と題した作文を朗読、「田代小は私たちにたくさんの思い出を残してくれた。その思い出を心の中に大切にしまい、思い出を一つ一つ大事にしていきましょう」などと発表した。

　続いて、島木校長と５年生の木代真直さんが田中町長に校旗を返納。最後に全員で校歌を斉唱した。

　同小は１８７４（明治７）年創立。現在地には１９２７（昭和２）年に移転。児童数は５９年の９０１人をピークに、過疎化や少子化で年々減少。９５（平成７）年に２００人。２００８年ごろから１００人を切っていた。

　美郷町内の小中学校は０７年から、国の小中一貫教育の推進もあって、１１年に南郷地区、１５年に北郷地区で小中一貫校に移行。西郷地区でも同様の検討がなされていたが、国が１６年４月に導入した小中一貫教育制度の一つ「義務教育学校」とすることが決まった。同小の閉校記念碑除幕など、式典以外の記念行事は、７日に行われた。