「ひなたＷＯＭＡＮ」（６７）結いの里（延岡市北浦町）・河野奈美子さん

地域の役に立ちたい

　「通い（デイサービス）」を中心に、短期の「泊まり」や自宅への「訪問」を組み合わせ、高齢者が在宅での生活が継続できるように支援する小規模多機能型居宅介護施設を経営する。

　「開設して丸３年が過ぎました。利用者一人ひとりに寄り添い、笑顔あふれる施設を目指しております」

　２０１１年には「北浦元気塾」を立ち上げ、高齢者の生きがいづくりにも尽力。毎週木曜日、北浦小宮野浦分校跡に集まり、カラオケや縫い物などを楽しむ姿を温かく見守る。

　「運営資金は原則会費のみ。高齢者が主体的に運営する仕組みは全国から注目され、多くの方が視察に来られました。学校に雑巾などを贈ったりと、子どもたちとの交流も盛んなんですよ」

　福祉に関わるきっかけは義父母の介護。子ども２人の野球の応援に行きたくても行けず、歯がゆかった。

　「少しの間だけでも世話をしてくれる人がいたら、どんなに助かるか。同じような悩みを抱える方の手助けをしようと、０７年に始めたのが生活支援の仕事です。墓の掃除や台風時の雨戸閉めなど喜ばれました」

　同じ頃、建築業を営む夫が病に倒れ、夜も編み物教室などの講師をして家計を支えた。参観日には作業着姿で出席したこともしばしば。子どもの野球の遠征に付き添ったのが楽しい思い出という。

　取得資格は介護福祉士、レクリエーション・インストラクター、防災士、建築施工管理技士など多種多様。長年のパワフルな活動が認められ、２０年度「女性のチャレンジ賞」の知事表彰を受けた。

　「全てが『地域の役に立ちたい』の一心から。これからも人との出会いを大切にしながら大好きな北浦を元気にしたいですね」