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19日から運用開始−ドクターカー

本紙掲載日:2021-04-13
1面
県内で初めて導入された救急車型のドクターカー(延岡市消防本部)
救急車からドクターカーへの傷病者引継ぎを訓練する救急隊員や医師ら
ドクターカーに引き継いだ傷病者(人形)への医療処置を訓練する医師と看護師

県立延岡病院−消防、医療機関14日まで訓練

 県立延岡病院に導入されたドクターカーが19日から運用開始されるのを前に、担当する救急医や看護師ら医療スタッフと消防や医療機関による合同訓練が12〜14日にかけて県北各地で行われている。

 新たに配備されたのは県内初となる救急車型のドクターカー。医師と看護師、救急救命士が乗り込んで現場に直行し、医療処置を施しながら傷病者を搬送できるため、救命率の向上や後遺症の防止・軽減が期待される。

 県北では現在、延岡市にドクターカーが配備されており、市消防本部が延岡病院で医師や看護師を乗せて現場に向かう「ラピッド・レスポンス方式」で試験的に運用。新導入車の出動範囲は、日向市、東・西臼杵郡を含む県北全域となり、視界不良でドクターヘリや防災ヘリが飛行できない雨天時なども臨場できるほか、災害時には昼夜を問わず現場に投入するという。

 今回の訓練は延岡市、日向市、西臼杵の各消防本部、救急業務を受託している美郷町の日本救急システム、村職員が救急搬送を担っている椎葉村役場と諸塚村役場、救急を受け入れる県北10医療機関で実施。救急隊が搬送する傷病者を、ドッキングポイント(合流地点)でドクターカーへ引き継ぐ手順などを確認している。

 このうち、12日に訓練した延岡市消防本部では、高所から転落して大けがを負った作業員の搬送を想定。現場の救急隊は症状の重さから、通信指令室へドクターカーを出動してもらうよう要請し、ホットラインを受けた延岡病院救命救急センターの医師らがドッキングポイントに急行した。

 同ポイントに見立てた消防本部駐車場では救急車に横付けしたドクターカーに傷病者を移し、ヘルメットを着用した医師と看護師が素早く輸液などの医療処置を実行。救助隊員らも見守る中、スムーズに患者を引き継ぐことができた。

 ドクターカーに乗る救急救命センター長の長嶺育弘医師は、「まだどれほどの出動件数になるか見えていないが、とにかく地元消防に活用してもらえるのではないか」と、要請をためらわないよう説明。訓練を見守った消防職員らは、「ドクターヘリはどうしても飛べないことがあるので、ドクターカーの運用開始で県北の救急は大きく変わるだろう」と期待を込めていた。

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