ワクチン予約−開始後、１時間半で終了

延岡市、７５歳以上対象

◆今月の政府供給は２千人分

　延岡市では１３日午前８時３０分から、７５歳以上の市民を対象にした新型コロナワクチンの接種予約を開始したが、１時間３０分で終了した。その後も予約コールセンターや市には問い合わせが殺到し、ぎりぎりで予約が間に合わなかった高齢者からは残念がる声も聞かれた。

　市には今月中に政府から高齢者向けに約２０００人分のワクチン供給を受ける計画。ただ、接種対象者は約４万３０００人もいることから、今月分は特に重症化が懸念される高齢者施設の利用者や人工透析をしている６５歳以上に優先接種すると公表していた。

　このため、一般高齢者もまずは７５歳以上に接種券を郵送し、１３日から予約を受け付けたが、コールセンターには開始早々から電話が殺到し、インターネットのウェブ予約もつながりにくい状況が継続。市健康増進課によると、予約向けに確保できたワクチンは全体のわずか１割程度（約２００人）という。

　市内の８０代男性は朝一からコールセンターに何度も電話をかけ続けたが、「大変混み合っています」という音声案内が流れるだけで、やっとつながったのが午前１０時半ごろ。さらに電話口で１０分ほど待たされ、予約番号や個人情報の確認手続きを終え、妻の分まで予約できないかを問い合わせていたところ、予約がいっぱいになったと伝えられ、結局、本人分も含め受け付けできなかった。

　男性は状況がよく理解できずに、その後も電話をかけたがつながらず、「悔しいやら、情けないやら…。予約が終わったならそう言ってほしかった。やり方を考えてほしい」と嘆いていた。

　接種券は６５〜７４歳の市民にも１９日から郵送。高齢者へのワクチン接種は同日に施設利用者など、２５日から市内２医療機関で実施する。次回分の予約開始は市が５月中旬以降に公表するという。