新型コロナ−美郷町でクラスター

高齢者施設で関連２８人−２５日

　県は２５日までに、美郷町の高齢者施設で入所者、職員とその家族計２８人が感染するクラスター（感染者集団）が発生したと発表した。確認時の感染者数は県内で過去最多のクラスターになった。２５日時点で重症者はいない。

　県感染症対策室によると、高齢者施設では２３日発表の９０代女性入所者が、別の疾患で入院する際の検査で陽性が判明。その後、職員と入所者約７５人の検査を進め、２４日に２５人の感染を確認した。その時点の感染者は２６人となりクラスターと認定。確認時の感染者数は過去最多となった。

　２５日には入所者１人と、職員の家族１人の感染が分かった。２８人の内訳は、職員が５０、６０代の男性１人、女性２人。入所者は男性６人、女性１８人で、年代は６０代が２人、８０代が１０人、９０代が１２人となる。５０代女性職員の家族の５０代男性は関連の感染者となる。

　２４日発表分まで２６人のうち、症状があった人は入所者３人、職員１人。うち３人は一度、発熱が確認されたが、翌日には平熱に戻っていた。このクラスターは変異株疑いではないとみられ、重症者はいない。

　ほとんどが無症状で、症状があっても軽症であったことから、施設内での感染に気づきにくかったとみられている。

　発生を受け、施設では複数の医師と十数人の看護師がチームを編成し常駐。入所者は入院せずに、施設内で療養する。また、緊急時には救急搬送できる態勢も整えた。

　同室は「施設外に感染が拡大する可能性は低く、施設の名称などは公表しない」と説明した。

　今後は常駐する医師と日向保健所の医師などが協議しながら、入所者に対して複数回の検査を実施予定。家族など職員の接触者の調査、検査を行っていく。


◆宮崎市でもクラスター、同じ会社の５人が感染

　宮崎市は２５日、新型コロナウイルスのクラスターの発生を確認したと発表した。２４日までに、市内の同じ会社に勤務する２０代男女５人のＰＣＲ検査陽性が判明しているという。同市内１６例目。

　宮崎市によると、クラスターに関連する感染者は、２２日の検査で陽性が確認されている２０７９例目の２０代男性と、接触者として検査を受け２４日に陽性が判明した２１２１例目の２０代の女性と２１２２〜２１２４例目の男性３人。

　５人は同じ勤務先の同僚だが、テレワーク勤務のため、社内感染の可能性は低いとみている。これまでの聞き取り調査から、勤務時間外に食事などを含めて共に過ごしていたという。一緒にいた他の同僚数人は現時点で陰性が確認されている。

　同市は２月、高齢者福祉施設でクラスターが発生。健康支援課は「県外で感染拡大が懸念される感染者集団や高齢者福祉施設の感染者集団などが確認される中、宮崎市で発生してもおかしくない状況。改めて感染防止の徹底を」と話していた。


◆２６日、１０人未満

　県は２６日午前、新型コロナウイルスの新規感染者が１０人未満の見込みで、すべて宮崎市在住者と発表した。確定値は午後、県と宮崎市が発表する。