「ひなたＷＯＭＡＮ」（６９）五ケ瀬ワイナリー（五ケ瀬町）・甲斐理沙さん

ワインで地域貢献を

　阿蘇外輪山を一望できる標高６６０メートルの丘の上に立つワイン醸造所。総務課主任として広報や経理などを担当する。

　「先日も国内の女性ソムリエらによる審査会で二つの銘柄がゴールド賞を頂き、新聞社の取材を受けたんですよ。ほかにもホームページの更新やＳＮＳでの情報発信、忙しいときは売り場を手伝うこともあります」

　一押しは、金賞受賞の一つで白の甘口「ナイアガラ」。摘み立てのブドウをそのまま食べているようなフルーティーさが自慢だ。ナイアガラに炭酸が入ったイメージの「樹樹（じゅじゅ）」も、結婚式などの祝い事に喜ばれているという。

　「もう少し説明の仕方を工夫すれば、お客さまにワインの良さがしっかり伝わったのにとの反省が多々ある中で、『おいしかったよ』の言葉をもらったときが最高の瞬間です。福岡でのイベント時に五ケ瀬出身という方が声を掛けてこられ、人との出会いもこの仕事の魅力ですね」

　会社がある桑野内生まれ。高千穂高を出て県外で働いたが、子どもの頃から親しんだ神楽のない日常に寂しさが募った。ふるさとの人の温かさ、星空の美しさも恋しくなり、１０年前に帰郷。１人暮らしに憧れ、熊本県の山都町から車で約１５分かけて通う毎日だ。

　コロナ禍で外出の機会が減り、マイブームは塗り絵。ディズニーのキャラクターなどを気に入った色で仕上げるときが一番の気分転換という。夜神楽の季節になれば、父の舞う姿を見に行くのも楽しみの一つ。

　「コミュニケーション力をより磨いて五ケ瀬ワインのさらなる認知度向上に努め、地域振興に少しでも貢献できたらと思います」