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大型連休、静かにスタート

本紙掲載日:2021-04-29
1面
雨のスタートとなった大型連休。高千穂峡の人出もまばらだった(29日午前)

雨の高千穂峡、初日午前はまばら

◆各地、コロナ対策万全に

 大型連休が29日から始まった。休み方によっては最大1週間から11日間の超大型連休となる人もいるが、昨年同様に今年も新型コロナウイルス感染拡大が影を落とし、人の動きは停滞気味。初日はあいにくの雨も重なり、県北の行楽地などは全般的に人出がまばらだった。

 人気スポットの高千穂峡は29日午前、雨が降り続いたため人はまばらだったが、団体や家族、カップルらが傘を差しながら散策。山口県下関市から職場仲間3人で訪れていた会社員の20代男性は、「息抜きの日帰り旅行です。地元もクラスター(感染者集団)がいくつも発生して大変なので、人との接触を避けて帰りたいと思います」と、控えめに語った。

 九州各地を旅して回っているという高知県の無職女性(21)は、「雨の高千穂峡もみずみずしくて美しいですね。なるべく人混みを避け、キャンプをしながら回っていますが、きょうは雨なので近くの宿に泊まります」と話していた。


◆緊急事態宣言で宿泊キャンセル−延岡

 延岡市は公共施設の利用を原則市民のみに制限しており、大人数となる「こどもの日」関連のイベントや貝掘りなどの人気行事も開催が見送られた。キャンプ場も例年ほどは混み合っていない。

 5月4日に西階陸上競技場で開催予定だった陸上中長距離の祭典「第32回ゴールデンゲームズinのべおか(GGN)」も、直前で中止が決定。関係者や来場者の受け入れを見込んでいた市内の宿泊施設には予約のキャンセルが相次ぎ、前年に続いてかき入れ時に打撃を受ける結果となった。

 県ホテル旅館生活衛生同業組合延岡支部の山田圭吾支部長によると、GGN中止と東京都の緊急事態宣言発令に伴い、キャンセルが急増。今週に入り、九州内からちらほら予約が入り始めたが、学生スポーツ大会もほとんど中止されたため、まだ空室が多いという。


◆外出自粛を継続−日向・東臼杵

 新型コロナの感染急増地域に指定されている日向・東臼杵圏域では、例年なら多くの人でにぎわうサーフスポットの海水浴場駐車場を閉鎖。住民へ不要不急の外出自粛が要請され、各種イベントも中止となるなど、静かな連休を迎えた。

 日向市駅前広場や門川町のかどがわ温泉心の杜(もり)、美郷町の石峠レイクランド美々川温泉、南郷温泉山霧、諸塚村の池の窪え(くぼ)グリーンパークなど、各市町村とも多くの公共施設を閉鎖。感染再拡大防止のため、住民や来訪者に慎重な行動を求めている。


◆混雑対策でシャトルバス運行−人気の高千穂、宿泊予約多く

 本県最大の観光地である高千穂町は、県内や九州各地から〃安・近・短〃の旅を求める観光客で宿泊予約が多く、根強い人気ぶりをうかがわせた。高千穂峡で人気の貸しボートも期間中、まんべんなく予約が入っているという。

 町観光協会は高千穂峡の混雑対策として、29日から5月5日まで、乗車人数を制限して臨時シャトルバスを運行。高千穂神社の観光神楽も公演数を1日1回から2回に増やす一方、1回当たりの鑑賞者を150人限定とし、検温、手指消毒、マスク着用、空気除菌と換気を徹底する。

 町旅館業組合の佐藤雄二郎組合長によると、緊急事態宣言対象地域の予約客からキャンセルがあったものの、その後に九州各地から予約が入り、連休中はすでに満室。ほかの宿泊施設も団体予約こそ少ないが、特に県内から個人客の予約が増えているという。

 昨年は観光施設や公共施設が閉鎖され、休業を余儀なくされた宿泊施設も多かったが、今年は一定の回復が見込まれる。その分、十分な感染防止策が求められ、各施設とも使用客室を減らして密を回避したり、部屋の消毒と換気、接客時のマスクやフェースシールド着用などを徹底している。

 トロッコ型カートでの遊覧が人気の「高千穂あまてらす鉄道」も60人満席の乗車定員を40人に制限。天岩戸神社は昨年に続いて春季大祭の御神幸を中止し、5月2日の例祭祭典と2、3日の神楽奉納のみ実施する。

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