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海面養殖から再び淡水へ

本紙掲載日:2021-04-29
1面
大きな網で輸送用トラックに移されるサクラマス(29日午前、延岡市北浦町宮野浦)

サクラマス、五ケ瀬町へ移送−宮野浦漁港沖

 宮崎大学発の学生ベンチャー企業Smolt(スモルト、上野賢代表)が延岡市北浦町の宮野浦漁港沖で海面養殖をしていたサクラマスが29日水揚げされ、再び五ケ瀬町の養魚場に移送された。

 同社では、五ケ瀬町で生まれたヤマメの稚魚を延岡の海で大きく育てて出荷しており、昨年12月末に約1500匹をいけすに放っていた。

 海面養殖に協力している同町の中千代水産(中田真稔代表)の職員が、サクラマスを手際良くすくい上げて船に移すと、体長約40センチ、重さ1キロほどに育ったサクラマスが勢いよく水面を躍った。

 同所で行う海面養殖は2年目で、今回は淡水から海水に慣らす期間を大幅に短縮して作業の効率化を図ったという。

 この日、水揚げされたサクラマスは五ケ瀬町の養魚場で淡水でしばらく飼育される。経過観察を経て今後の養殖に適した系統が選抜されるほか、商品としては県内をはじめ関東や関西方面などの循環型漁業に関心を持つ料理店に出荷される。

 上野代表は「例年以上に強い選抜をかけましたが、その中でもしっかりと大きく育ってくれたので、その点では今年は大きな手応えがあった」と話していた。

 延岡の海でサクラマスを育てる取り組みは、同大農学部の内田勝久教授が2012年から養殖技術の研究を始めた。その研究成果を基に内田研究室の学生で大学院生の上野代表が2019年4月にSmoltを設立して、事業に取り組んでいる。

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