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野口遵顕彰会20周年

本紙掲載日:2021-05-15
1面
野口遵顕彰会の第20回総会
創立20周年記念誌「20年の歩み」

今年度、コロナ禍でも各事業継続したい−延岡

◆ジュニア科学者OB会結成

 日本の化学工業界の先駆者であり、「延岡新興の母」とたたえられる旭化成創業者、野口遵の顕彰会(吉玉典生会長)は11日、延岡市旭町の旭化成向陽倶楽部で第20回総会を開いた。青少年科学技術派遣研修事業「ジュニア科学者の翼」はじめ、4月に完成した創立20周年記念誌の配布など2021年度の活動計画を決めた。

 あいさつに立った吉玉会長は昨年を振り返り、県内を拠点に研究開発を行って顕著な業績を挙げた企業や個人を表彰する「野口賞」において、16年ぶりの受賞者が出たことを称賛。いまだ先行きの見えないコロナ禍にも触れつつ、「なんとかタイミングを見計らって、野口賞はじめ各事業を継続していきたい」と話した。清本英男前会長、役員だった山本俊幸氏と中平勝也氏が亡くなったことにも触れて3人を悼んだ。

 21年度は、小学生向け副読本「のべおか新興の母野口遵」(マンガ版)を市内28校の4年生に配布するほか、昨年度はコロナ禍の影響で中止した「ジュニア科学者の翼」、第21回野口賞の授与、第7回野口遵翁生誕祭、小学校高学年を対象に風力発電の実験をする「ジュニア科学スクール」、昨年度初めて九州保健福祉大と共催した体験学習「『アルコール代謝と遺伝子検査』を学ぶ」などを行う。

 また、ジュニア科学者の翼が今年度で20回目を迎えるのを機に、過去5回単位で開いてきた「派遣研修生の集い」も計画。第16〜20回の研修生および引率教諭らを対象として、11月下旬または12月上旬ごろに再会の場を設ける。合わせて過去の参加者の中からOB会を求める声が出ていることから、同会結成の準備を進めていくとした。

 会場では、減少傾向にある個人会員の現状について意識共有も図られ、出席者は会員拡大に向けた活動を展開していくことを確認し合った。

◆記念誌「20年の歩み」を発行

 今年1月に創立20周年を迎えた野口遵顕彰会は、記念誌「20年の歩み」を作成した。A4判52ページ。会員はじめ関係者に計650冊を配布する。

 同記念誌は、20年7月の準備委員会発足から創立に至る経緯、青少年科学技術派遣研修事業「ジュニア科学者の翼」をはじめとする各事業の実施内容、歴代役員、野口遵年譜などを本編および資料編に収録。創立時から発行を続けている「野口遵顕彰会だより」をベースに、活動を記録した写真や新聞記事等を掲載しており、20年間を分かりやすく振り返ることができる。

 同顕彰会は01年1月30日創立。「延岡新興の母」といわれた野口遵を広く後世に伝えながら、さまざまな事業を通して次代を担う青少年の育成などに力を注いでいる。このうちジュニア科学者の翼は08年4月に科学技術賞(理解増進部門)において、20年1月にはキャリア教育実践優良団体として計2回の文部科学大臣表彰を受賞するなど実績を積み上げている。

 吉玉会長は「(創立20周年は)賛助会員、延岡市教育委員会はじめこれまでの関係者の皆さんのご理解、ご支援のたまもの。今後も活動の充実、発展に努めていきたい」としている。

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