旭化成−コロナ禍影響、減収減益

医薬・医療は堅調売上高増−２１年３月

　旭化成は１３日、２０２１年３月期（２０２０年４月１日〜２０２１年３月３１日）の連結決算を発表した。新型コロナウイルス感染拡大による世界経済悪化や旭化成マイクロシステム延岡事業所火災などの影響を受け、売上高は前期比２・１％減の２兆１０６１億円、営業利益は同３・１％減の１７１８億円、経常利益は同３・２％減の１７８０億円、純利益は同２３・２％減の７９７億円で減収減益となった。

　セグメント別では、マテリアルは第２四半期より自動車関連市場や石油化学製品市況の回復などで業績を回復したが、第１四半期を中心に新型コロナの影響が大きく、売上高が９９１２億円（前期比１０１９億円減）、営業利益が６６５億円（同２５９億円減）。

　住宅は不動産部門が好調に推移したものの、建築請負やリフォーム部門で消費増税、新型コロナの影響を受けて売上高が６９２６億円（同１１８億円減）、営業利益が６３５億円（同９２億円減）。

　ヘルスケアはクリティカルケア事業において人工呼吸器の需要が大きく伸長したほか、医薬・医療事業も堅調に推移し、売上高が４０７９億円（同７０１億円増）、営業利益が６７６億円（同２４１億円増）。

　エンジニアリング事業などその他の分野は、売上高が１４３億円（同２０億円減）、営業利益が３８億円（同６億円増）だった。

　２２年３月期については、人工呼吸器需要の一段落に対して、自動車関連市場や石油化学製品市況の回復継続、衣料関連市場の緩やかな回復などを見込んでおり、連結業績予想は売上高が前期比１２・８％増の２兆３７５０億円、営業利益が同１０・６％増の１９００億円、経常利益が同１０・１％増の１９６０億円、純利益が同９４・３％増の１５５０億円としている。