コロナ禍、減収減益−旭有機材２１年３月期

半導体製造装置向けの製品−年間通し堅調推移

　旭有機材は１４日、２０２１年３月期（２０２０年４月１日〜２０２１年３月３１日）の連結決算を発表した。新型コロナウイルス感染拡大の第２波、第３波、２０年３月末の株価低迷による年金資産減少などの影響を受け、売上高は前期比５・４％減の５３５億５１００万円、営業利益は同２２・１％減の３４億４００万円、経常利益は同１７％減の３６億４８００万円、純利益は同１１・１％減の２７億８９００万円で減収減益となった。

　セグメント別では、管材システムは国内の設備投資において定期修繕等の延期や見直しがあったこと、新型コロナの影響で米国内の半導体関連の販売が伸び悩んだことなどから売上高は３０８億２３００万円（前期比４・２％減）、営業利益は２１億３６００万円（同１６・３％減）。

　樹脂は新規取引の増加、中国でのレガシー半導体向けの需要が伸びたものの、新型コロナによる自動車生産減少の影響などを受け、売上高は１５８億９１００万円（同７・７％減）、営業利益は９億３０００万円（同１９・２％減）。

　水処理・資源開発は産業廃水処理施設や温泉設備工事等の案件の受注を確保しつつ、工事の着工延期や進捗（しんちょく）遅延などの影響もあり、売上高は６８億３７００万円（同５・０％減）、営業利益は２億５００万円（同５９・２％減）。

　２２年３月期については、新型コロナの影響への懸念や自動車産業における車載用半導体不足による減産を予想するとともに、縮小傾向にあった工場等の設備投資や修繕の回復、半導体需要の好調継続を見込んでおり、連結業績予想は売上高が前期比８・３％増の５８０億円、営業利益が同０・１％減の３４億円、経常利益が同１・３％減の３６億円、純利益が同１０・３％減の２５億円としている。