ワクチン接種、７月末完了に向け

市町村支援に９億９千万円

　県は２１日、県内の高齢者ワクチン接種の７月末完了に向け、市町村のワクチン接種の実施態勢の強化をサポートする新型コロナウイルスワクチン接種緊急支援事業を発表した。休日の個別接種の促進や集団接種の医療従事者確保、県主催の広域集団接種の実施など支援策を盛り込んでいる。

　県によると、県内市町村のワクチン接種実施計画（４月３０日時点）では、約５万人の高齢者が８月以降の接種になると試算され、７月末までに完了するためには主導する市町村のワクチン接種が加速するよう、強力に取り組みを支援する必要があると判断した。

　主な支援は、個別接種の促進策として、休日の個別接種を行う医療機関に協力金（１日１５万円、半日７・５万円）を支給。集団接種の促進に関しては、医療従事者の確保や医療従事者の時間外・休日の派遣支援、７月末までに接種完了が困難な地域を対象に県が集団接種を行うなどする。

　県主催の集団接種の実施については、７月末までに接種完了が困難な複数の近隣市町村の住民が共同で接種を受けられる会場（公民館や体育館など）を選定し、実施できるよう調整している。

　また、県が公募などで確保した歯科医師や看護師を対象に、実技を含めた研修の実施なども盛り込んでいる。

　県は「７月末の接種完了に向けたスケジュールは非常に厳しいが、市町村と連携して接種を加速し、完了を目指したい」と話している。

　事業費は９億９０１８万円で、２０２１年度一般会計補正予算案に計上し、２５日開会の県議会５月臨時会に提出する。