鉄壁の二遊間攻撃でも－富島

本紙掲載日：2021-07-12

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【１回戦・富島─鵬翔】富島は５回１死一塁からエンドランを仕掛けられるが、遊ゴロを木村─村上（左）とつなぎ併殺に

第１０３回全国高校野球選手権宮崎大会サイド

◆そつのない木村と村上

　４点リードの九回、１点を失いなおも無死一、三塁。異様な雰囲気になりかけた球場内で、富島の二遊間は冷静で、余裕を持っていた。三遊間への緩いゴロ。簡単ではなかったが、木村から村上と流れるように６─４─３の併殺で、球場はため息に変わった。

　攻守でそつなく、難敵との初戦を突破した富島。「ずっと２人で練習してきた」と木村。堅守のナインの中でも特に高い完成度を見せた二遊間は、攻撃でも光った。

　初回は無死一、二塁から村上。「サインは『打て』だったので、迷わず打った」。中前打で満塁とし先制につなげる。

　１点リードの五回は無死一塁から１番の木村がこの日２個目の四球。無死満塁となり、相手暴投の間に、「広い球場では常に狙っている。持ち味の走塁で思い切りいった」。２走の木村まで生還し、村上の中前打もあって、流れを決めた。

　「ミスがあっても全てを『想定内』と切り替えてプレーし、二遊間もいつも通りカバーし合えた。打撃もいい調子で次につながる」と村上。主将の木村は「挑戦者の気持ちで、焦らずにみんなで勝てた。スタンドも含めて最初から雰囲気をつくり、全員で同じ方向を見て戦っていく」。

個性ある投手陣に強固なセンターライン。激戦区を勝ち抜く根拠は見えた。

◇頼もしい守りが
黒木冬（先発し五回を１失点）「序盤に自分のミスがあったが、周りを見て切り替えることができた。頼もしい守りがいるので、次も捕手が構えたミットに投げ込むだけ」

◇次は制球良く
日髙（救援し打者１１人を被安打１。自己最速更新の１４４キロも）「制球がバラバラで全然駄目だった。守備は堅いので、次は持ち味のストレートを生かしながら、制球良く投げていきたい」

◇代打は準備
山口（四回代打で決勝の中前適時打）「絶対に打ってやる以外の気持ちはなかった。代打は準備が大事。次もいつでも打てるよう準備していきたい」