全力でバットを振る人になれ

元トヨタ野球部・二葉祐貴さんがキャリア教育−岡富中

　延岡市立岡富中学校（粟田茂樹校長、３０６人）は１６日、トヨタ自動車の硬式野球部で捕手として活躍し日本代表にも選ばれた二葉祐貴さん（大阪府出身）を講師に、キャリア教育を行った。３年生８２人が参加した。

　２年前にも同校を訪れた二葉さん。「大きくなったなぁ」と生徒たちの成長を喜んだ。

　そして、前回の講演の内容も踏まえ、一度野球をやめてしまった経験やＰＬ学園に行きたい一心で努力し続けた中学時代のエピソードなどを紹介。「自己決定が何よりも大事。自分で決めたことを実行していけば、つまずいたり何かあった時、人のせいにはしなくなる」と話した。

　次に、自身が教師として勤務する「トヨタ工業学園『高等部』」について説明。日本に四つしかない企業内訓練校で、卒業後は確実にトヨタの社員になれることや、プリウス、レクサスといったトヨタを代表する車に実習室で触れられることなど、学園の取り組みや強みについて詳しく解説、「この学園に進学するということは、トヨタに就職するということ。トヨタで働きたい人はぜひ」とＰＲした。

　また、近年トヨタは、車以外にもさまざまな事業に取り組んでいることを紹介し、「何事にも全力で取り組める人、周りのことも大事に考える人こそが、トヨタが必要とする人材」と説明。「（人生では）とにかくバッターボックスに立ってバットを振る。たとえそれが空振りでも、周りの人たちは『ナイススイング！』と声掛けしていくことが大事」と呼び掛けた。

　生徒の三谷彩乃さんは「企業の運営する学校がどのような取り組みをしているのか知らなかったが、働く上で必要なスキルが身に付き、卒業後も手厚いサポートがあることが分かった。中学３年生になり、受験という大きな選択の前に立たされているが、ここに行きたいという選択は、自分自身で決めていきたい」と話した。