のべおかキルトの世界展始まる

本紙掲載日：2021-10-04

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宮崎テーマに個性豊かな作品ずらり

◆７日まで延岡総合文化センター

　さまざまな色、形、大きさの布片を縫い合わせ、自由に絵柄を表現する手芸作品「パッチワークキルト」の魅力を発信する「のべおかキルトの世界展～パッチワークキルトが描く宮崎～」が４日から、延岡市東浜砂町の延岡総合文化センター展示室１、２で始まった。７日まで。国文祭・芸文祭みやざき２０２０分野別フェスティバルの一つ。入場無料。開場は午前９時～午後５時。

　中心となって準備を進めてきたのは、同市永池町「キルトショップログハウス」内に立ち上げられた同展実行委員会（堤和子委員長、６人）。「宮崎」をテーマに制作された計３０枚のシリーズ作品をメインに、実行委員６人が同市をイメージして制作した縦２メートル１５センチ×橫２メートル５センチの大作「時空を超えて神話の源流へ」などが多数展示されている。

　シリーズ作品は、複数の作品をつなぎ合わせる「パートナーシップキルト」という手法で制作されたもので、全国に公募した２５センチ四方のパッチワークキルトを実行委員６人が縫い合わせ、１メートル四方の作品３０枚に仕上げた。

　２０１９年６月から公募を開始。パッチワークキルト専門の全国誌に広告を載せ、つながりがある九州内のパッチワーク教室に協力を呼び掛けるなどしたという。

　最終的に集まった作品は約４８０枚。会場には同市特産「空飛ぶ新玉ネギ」、同市出身の大相撲力士・琴恵光関、日向市東郷町出身の歌人若山牧水の短歌、「恋する灯台」に認定されている同市の細島灯台、門川町の尾末神社大祭で繰り出される勇壮なだんじりなど、個性豊かな作品がずらりと並ぶ。

　また、大作「時空を超えて神話の源流へ」は、中央に五ケ瀬川とアユ、天孫ニニギノミコトとコノハナサクヤヒメが描かれ、それに沿うように今山大師像、コノハナロード、城山の鐘、北川町に宿陣した西郷隆盛など、同市のイメージが細かく組み込まれている。

　デザインは、市内在住のイラストレーター森有美さん（北川町）、渡辺愛さん（土々呂町）が担当。実行委員が出した案を一枚の絵に描き起こした。

　他にも、地方では目に触れる機会の少ないプロのキルト作家、小関鈴子さんの２メートル四方の大作６点を公開。「宮崎のキルターたち」と題した県内愛好家の作品も展示されている。

　来場した三友良子さん（８５）＝同市桜小路＝はパッチワークキルト歴２０年、自身の作品が同展に並ぶ。「素晴らしい作品の数々に感動した。皆さんの作品を見ていると新しい表現方法の発見があり、良い刺激になる」と笑顔で話した。

　同展は当初９月に開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴って、この日に延期された。堤実行委員長（７１）は「まずは無事に開催できたことが何よりうれしい。平日のみの開催となったが、この広い会場に負けないくらい、すてきな作品が集まった。ぜひ足を運んでいただきたい」と呼び掛けた。