予約殺到、３日午前中で４５０人分終了

３回目ワクチン−延岡市の集団接種受け付け

　延岡市がオミクロン株への緊急対策として１２日に実施する新型コロナワクチン集団接種は、きのう朝の予約開始から申し込みが殺到して、午前中に受け付けを打ち切る事態となった。

　集団接種はオミクロン株の感染拡大に備え、市医師会や市郡薬剤師会と連携して計画。他の市町村に先駆けて、２回目接種から６カ月が経過した１８歳以上の市民であれば、接種券が届いていなくても接種可能とした。

　ワクチンは市が１、２回目の接種に用いたファイザー製ではなくモデルナ製を使用。異なるワクチンの交互接種に対して抵抗感を抱く国民が多いとの報道や、県が宮崎市で実施している集団接種の予約が少ない状況などを踏まえ、今回の接種希望者は限定的と予測していたという。

　このため、接種人数の上限を設けず、予約期間も１０日まで設定。だが実際には、予約開始の３日午前８時３０分からコールセンターがつながりにくい状況が続き、当初は１週間で「多くて３００人程度」と見積もっていた接種枠に数時間で達してしまった。

　想定外の事態に市健康増進課は急きょ対応を協議。会場となる市保健センター（市役所２階）の定員や、接種に当たる医療従事者数から最大限の１５０人分を追加し、先着４５０人分で予約受け付けを中止した。

　市の担当者は「ここまで希望者が多いとは思っていなかった」と驚いていたが、予約ができなかった市民からは残念がる声が多く届いているといい、同課は次回の集団接種計画を検討している。

　一方、爆発的な感染拡大に伴い、接種間隔の目安で今回対象とならなかった市民からも、早めに追加接種を受けたいという声は高まっている。このため市は、現在は２回目接種から「８カ月経過」が対象となっている高齢者以外の年代にも、「６カ月」に前倒しして接種券を発送できるよう準備していくという。

　反響の大きさを振り返り、健康増進課は「より多く供給できるモデルナ製ワクチンも活用する形で、一人でも多くの希望者に接種できるよう努めていきたい」としている。