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五ケ瀬町「荒踊」を登録

本紙掲載日:2022-12-01
1面
五ケ瀬町三ケ所神社の例祭で奉納された「荒踊」。人気の猿が登場すると境内はひときわにぎやかになる(2017年9月24日撮影)
懸垂幕を前に握手を交わす長田会長(右)と小迫町長(1日)

ユネスコ無形文化遺産に決定

◆24都府県41件の風流踊(ふりゅうおどり)

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の政府間委員会は30日、盆踊りなど24都府県41件の民俗芸能「風流踊(ふりゅうおどり)」を無形文化遺産に登録することを決定した。登録は2020年の「伝統建築工匠の技」以来。この41件に五ケ瀬町坂本地区の「荒踊」も含まれ、歓喜に包まれた町民らは、地域活性化への期待や保存継承に向けた決意を新たにした。

 五ケ瀬町の荒踊は天正年間(1573〜92年)、坂本城主・伊賀守正行が創始。孫の山城守入道休覚が守護神二上大明神(現・三ケ所神社)に奉納する令を定めたことで広まったとされ、毎年9月の秋季大祭で同神社へ奉納後、中登神社と坂本城跡で踊られている。

 武者装束をまとい、ヤリ、長刀、弓、鉄砲などの武器を持った総勢約60人が10余曲の「行列隊形練りの踊り」「円陣隊形の輪踊り」を披露。現在は、坂本地区の約200戸600人からつくる荒踊保存会(長田豊明会長)によって継承されており、同町立坂本小学校の総合学習にも導入、1987年1月、県内で3番目の国指定重要無形民俗文化財に指定された。

◆1日、懸垂幕を掲示−喜びの五ケ瀬町役場

 五ケ瀬町役場前では1日、登録を祝うセレモニーが行われた。長田会長(67)をはじめ、小迫幸弘町長ら関係者が出席。集まった町民らが喜びに沸いた。

 式では、小迫町長が荒踊の概要を説明。保存継承に取り組んできた先人たちに敬意を示し、「町を代表する民俗芸能が世界的評価を受け、県内初のユネスコ無形文化遺産登録となったことは喜ばしく、大変誇りに感じている」とあいさつした。

 その後、荒踊の曲に合わせて「祝『風流踊』五ケ瀬の荒踊ユネスコ無形文化遺産登録」と書かれた懸垂幕をお披露目。

 長田会長は「先人たちが誇りを持ち、大事に受け継いできたものが認められてうれしく思う。高齢化などの課題もあるが、登録されたことで特別何かを変えるつもりはない。今まで通り、坂本地区の宝として継承に力を尽くしたい」と語った。

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