学校施設より長く活用

本紙掲載日：2021-03-22

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延岡市教委が計画案を公表－１７１棟が一斉に整備時期

◆２１年度から適正な維持管理へ方針

　延岡市教育委員会は、学校施設等長寿命化計画案の概要を公表した。学校施設の多くが建設から３０年以上経過し、今後は修繕や建て替えに多額の費用が必要になるとの懸念から、コストの縮減と平準化に向け、適正な維持管理を効率的に行うための整備方針などを示している。

　延岡市は幼稚園１園、小学校２７校、中学校１６校を有し、市保有公共建築物の延べ床面積の約３割を占める。学校施設は１９５５～６５年に集中的に整備され、今後１０年間に一斉に更新時期を迎えるが、建て替え中心の手法では財政負担が大きく、施設の機能維持が困難になると予測される。

　計画は、市教委が所管する域内の学校施設を対象に、背景や延岡市公共施設維持管理計画を踏まえた総合的な観点から、適正な修繕や建て替えを行うとともに優先順位の設定、教育環境の質的な改善を考慮しながら、コスト縮減などにつなげる目的で策定する。

　計画期間は２０２１年度から６０年度の４０年間とし、おおむね５年後、または学校を取り巻く情勢の変化があった場合に見直しを行う。計画の対象施設は幼稚園、小学校、中学校が保有する建築物のうち、小規模な建築物（おおむね２００平方メートル以下）を除いた１園・４３校の学校施設計１７１棟。

　学校施設の基本的な方針として、老朽化の実態などを踏まえ、「事後保全」から「予防保全」に移行して財政負担などの縮減につなげるとともに、施設規模を適正化しながら、各種機能を有した新たな教育展開に対応できる学校施設を整備するとした上で、整備水準などを提示。

　長寿命化に関しては、改修を実施して耐用年数を９０年にした場合、今後４０年間の維持・更新コストは約６９９億円（年間１７億円）で、従来の約８１６億円（同２０・４億円）に比べ１４・３％の縮減が見込めるなどと試算。長寿命化計画を効率的に行うための整備方針なども示している。

◆市民の意見を募集

　延岡市教育委員会は、学校施設等長寿命化計画案の概要に関する市民の意見を募っている。市内居住者を対象に３１日（必着）まで受け付ける。

　意見提出は住所、名前、同計画案の概要への意見であることを記入し、延岡市教育委員会総務課に持参（市役所４階）、郵送（〒８８２―８６８６延岡市東本小路２番地１）、メール（ｋｓｏｕｍｕ＠ｃｉｔｙ．ｎｏｂｅｏｋａ．ｍｉｙａｚａｋｉ．ｊｐ、ファクス（延岡２２・７０３７）で。持参は総合支所市民サービス課でも受け付ける。

　資料は同課、情報公開センター、総合支所市民サービス課、市立図書館、エンクロス、各コミュニティセンター、市ホームページで閲覧できる。

　問い合わせは市教育委員会総務課（電話延岡２２・７０３０）。