賛成２１人、反対６人−延岡市議会

再議、修正案再び可決−新電力会社

◆市長、再提案の考え

　延岡市が設立を目指している地域新電力会社をめぐり、読谷山洋司市長が求めていた予算案の再議について、市議会（定数２７）は２９日、臨時会を開き、関連事業費を減額した議会修正案を賛成多数で再び可決した。

　採決を受けて読谷山市長は、「引き続き、できるだけ早く設立するための取り組みを行っていきたい」と話し、改めて予算計上、再提案する考えを示した。

　上程理由で読谷山市長は、「卸電力市場の価格高騰により顧客の料金が上昇し損失を招くことはない」「既に十分な時間をかけ入念な検討を行い、市議会や市民への説明などを何度も行ってきている」など説明。議員３人が「事業計画には不確定な要素がある」などとして議会修正案への賛成意見を、他の議員３人が「審議は十分尽くした」などとして反対意見をそれぞれ述べた。

　採決は記名投票で行われ、議長を含む２７人のうち議会修正案への賛成が２１人、反対が６人。賛成が可決に必要な３分の２以上の１８人を上回り、「先の議決通り決定」となった。

　地域新電力会社は、市民や地元事業者の実質的な可処分所得を増やすことや市の新たな財源を確保することなどを目的に、市が２０２１年度中の設立を目指している。設立に向けた出資金など、関連事業費約６千万円を含む２１年度一般会計補正予算案を市議会３月定例会に提案。議会は関連事業費について「さまざまな点で課題があり、もう少し時間をかけて検討すべき」として、関連事業費を減額した修正案を発議し、２４日の定例会本会議で可決していた。

　市内では２７日、地域新電力会社の設立に賛同する市民の集会と、計画の見直しを求めている市民による意見交換会がそれぞれ行われた。双方に出席した読谷山市長は「会社がうまくいかなかったときは、私に責任がある。市の財政への影響はない」などと理解を求めた。