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日本伝統の構法を紹介

本紙掲載日:2021-04-02
8面
韓国の建築士向けに、オンラインで建築技術を紹介する川添さん

韓国の技術者向けセミナー・県

◆オンラインで講義−延岡出身の川添さん

 県はこのほど、県庁と韓国・ソウルの韓国木造建築協会をオンラインで結んで、技術者向けの木造軸組構法セミナーを開いた。講師は延岡市出身の建築士、川添英司さん(注文の多い建築料理店〈ゆうぼく人〉=宮崎市=代表)が務め、韓国の建築士ら23人が参加した。

 29年連続スギ丸太生産量日本一を誇る宮崎県。県産材と建築技術をパッケージにした「材工一体」の取り組みとして輸出拡大を図っており、韓国でのセミナーはその一環。2016年度以降、10回目の開催。これまでは広く一般向けだったが、今回から技術者に対象を絞った。また、新型コロナの影響で初めてのオンライン開催となった。

 川添さんは延岡高、宮崎大土木工学科卒業。ウッドデザイン賞2015ハートフルデザイン部門や、第1回みやざき木の家最優秀賞などを受賞。木造軸組構法をよく知る建築士として活躍している。

 軸組構法は、柱と梁(はり)を組んで構造体を作る日本の伝統的な構法を発展させたもの。川添さんは「最大のメリットは設計の自由度が高まること」として、スライド写真を使って具体的に語った。

 技術者向けのセミナーのため、県内での建築事例などを写真を交えて詳細に説明。今春完成予定の県林業会館(いずれも宮崎市)など最新の木造建築物も紹介し、「日本には継承された軸組構法の経験値が蓄積され、宮崎には豊富な材料と加工の技術がある。コロナが落ち着いたら、ぜひ見学に」と呼び掛けた。

 セミナーでは東京大学建築学科で学んだ韓国の建築士チャン・ジニさんも講演した。

 県山村・木材振興課によると、12年以降これまで、住宅など148棟分の木材を韓国に輸出。セミナーなどを通し、韓国の技術者に県産材や建築技術をPRし、販路拡大を進めたいとしている。

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