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マダニ感染症−今年初、県内で死者

本紙掲載日:2021-05-06
8面

西都市の70代女性

◆県、注意と予防呼び掛け−感染報告累計79例、全国最多

 県は4月28日、マダニが媒介する感染症の重症熱性血小板減少症候群(SFTS)で、西都市の70代女性が死亡したと発表した。県内の死亡報告は今年に入って初めて。マダニは春から秋まで活発に活動することから、県は注意と予防を呼び掛けている。

 県によると、女性は4月中旬から発熱などの症状を訴えて医療機関を受診、感染が確認された。女性は入院して治療中だったが、同月下旬に死亡した。感染前に農作業などの野外活動をしていたが、体からはダニの刺し口は確認できなかった。

 県内の感染報告は今年に入り計5例目、2013年の届け出開始からは累計79例目で全国最多。このうち59例は4〜9月の届け出で、今後さらに増える恐れがある。昨年は5例の報告があり、うち死亡は1例だった。

◆山や草むらでは肌を露出しない

 SFTSは、ウイルスを保有しているマダニにかまれることで感染するとされる。原因となるマダニは全国的に分布し、特に野生動物が活動する山や草むら、庭先などに多く生息、春から秋にかけて活動が盛んになる。

 かまれると、6日〜2週間程度の潜伏期間を経て発熱(38度以上)、腹痛や下痢などの消化器症状、頭痛、筋肉痛、神経症状、リンパ節の腫れ、出血などを発症。血液検査では白血球と血小板の減少が見られる。

 県は、山や草むらに入る際には肌を露出しないようアドバイスしている。具体的には、▼つばのある帽子をかぶる▼首にタオルを巻くか、ハイネックのシャツを着る▼ダニの付きにくい化学繊維の服を着用▼袖口は手袋の中に入れる▼靴下の中にズボンの裾を入れる▼防虫スプレー(イカリジンやデイートを含む)―など。

 また、まれに発症したペットから人へ感染する事例もあることから、散歩後はブラッシングし、マダニが付着していないか確認する。獣医師に相談の上、定期的にダニの駆除剤を使用することなども呼び掛けている。

 もし、マダニが肌に付着していた場合は、無理に取ろうとせず、皮膚科などを受診する。処置後も3週間程度は体調を経過観察して、発熱などの全身症状がある場合は内科などを受診するよう呼び掛けている。

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