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防災、災害時の対応学ぶ

本紙掲載日:2021-05-21
8面

こども食堂のべおか今山

◆黒木さん(宮崎市)招き講演会

 延岡市山下町のこども食堂のべおか今山(峰田知恵子代表)はこのほど、「『私たちの防災』こども食堂にて」と題した防災講演会を開いた。スタッフや地域住民ら15人が参加し、日頃の備えや役割などについて考えた。

 講師は、子ども食堂コーディネーターで防災士の黒木淳子さん(45)=宮崎市=。昨年6月、NPO法人「全国こども食堂支援センターむすびえ」から発行された「こども食堂防災マニュアル」の作成にも関わった。現在、このマニュアルを使って各地で講演活動を行っている。

 黒木さんは冒頭、「こども食堂は、子どもたちにとって心も体も安全な居場所。子どもたちだけでなく、地域の方にとっても安心安全な居場所をつくっていこうと全国を回って講演をしている」と自身の活動を紹介した。

 講演ではマニュアルに沿って、自身の経験や他の地域での取り組みを交えながら進行。日頃から災害に備えておくことの大切さを説き、「こども食堂によってできることと、できないことがある。皆さんができることからやることが大事」と話した。

 事前に確認しておくべきポイントとして挙げたのが住所。調理するこども食堂は火災の可能性があるため、いざという時、確実に住所を言って助けが呼べるよう常に見える場所に住所を張っておくことを推奨。さらに、海や河川に近いかどうか、避難場所がどこにあるか、消火設備がどこにあるかなど周辺地域や施設内について知ること、ハザードマップを確認することも挙げた。

 連絡方法についても触れ、マニュアルで名簿を必ず作成することになっているとして、「こども食堂のいいところは、いろんな方が広く利用できること。防災の視点から言えば、できれば名簿は作っておいてほしい」。一方、運営側の視点として「名簿は作らず自由に来ることができるのがいい、という考えもある」とした上で、「それぞれのこども食堂で賢明な判断をしていただければいいのではないか」と話した。

 さらに、子どもが集う場所であるため、「災害が起きたとき、子どもはパニックになる」と指摘。「短い言葉で、同じ言葉を何度も何度も繰り返すこと」「大きな声で分かりやすく呼び掛けること」などと実践を交えて紹介した。

 また、災害が起きると多くのデマが回ること、こども食堂や地域の居場所づくりをしている人たちは地域の中心になって動いている人たちであることを踏まえ、「信頼している人が(デマを)信じると、さらに広がってしまう。市の防災メールなどに登録し、正しい情報、信頼できる情報を伝えられるようにして」と呼び掛けた。

 この他、こども食堂が地域の防災拠点になることを踏まえ、普段から地域の防災訓練に参加するなど地域との協力体制を築くことなどを勧めた。

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