熱中症警戒アラート

本紙掲載日：2021-07-06

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気象庁と環境省、連携し情報提供

◆４月から運用開始－活用呼び掛け

　気象庁と環境省は、熱中症の危険性が極めて高まると予想される場合に、具体的な予防行動を呼び掛ける「熱中症警戒アラート」をすでに４月から本格的に運用を開始しており、これからの季節に活用するよう呼び掛けている。

　従来は気象庁が、最高気温がおおむね３５度以上になると予測される場合に高温注意情報を発表。環境省も最高気温に湿度などを加味した暑さ指数を発表してきたが、より効果的な予防行動につなげるため、連携して情報提供することとした。

◇基準は暑さ指数、３３以上で発表

　アラートの基準には暑さ指数を用い、指数が３３以上と予測された場合に、気象庁の府県予報区等を単位として発表。暑さ指数の予想値や予想最高気温だけでなく、具体的に取るべき熱中症の予防行動も発信する。

　暑さ指数（ＷＢＧＴ＝湿球黒球温度）は、①気温②湿度③輻（ふく）射熱（放射熱）――を取り入れた温度の指標。このうち輻射熱とは、日差しで受ける熱や、地面、建物、人体などから出ている熱をいう。指数が２８を超えると熱中症にかかる人が急増するとされる。

　暑さ指数の計算は、３指標のうち、気温の効果を１とした場合、湿度が７、輻射熱が２の割合で、湿度を重要視しているのが特徴。最高気温が比較的低くても、湿度が高ければ汗が蒸発しにくくなり体温が下がらないため、熱中症の危険が高まることが分かっている。

◇発表は前日夕方と当日早朝

　熱中症警戒アラートは前日の午後５時と当日午前５時に発表され、その後に天候が変わっても発表内容の追加や取り消しはしない。

　発表された場合に呼び掛けられる予防行動は例えば、▽不要不急の外出は避け昼夜を問わずエアコン等を使用する▽高齢者・子ども・障害者等に対して周囲の人から声掛けをする▽身の回りの暑さ指数を確認し行動の目安にする▽エアコン等が設置されていない屋内外での運動は原則中止または延期する▽喉が渇く前にこまめに水分補給するなど普段以上の熱中症の予防を実践する――などの内容を想定する。

◇アラートが出なくても予防を

　環境省の担当者は「梅雨明け後は体が暑さに慣れておらず、熱中症にかかりやすくなる」と指摘。アラートが出なくても、こまめに水分補給し、クーラーのある所で過ごすなど予防に取り組むよう求めた。

◇メールやＬＩＮＥからも受け取り可能

　熱中症警戒アラートは気象庁が発表するさまざまな気象情報と同様に、ニュースや天気予報など多くの手段で知ることができる。メール配信サービスもあり、スマートフォン用アプリのＬＩＮＥ（ライン）による環境省公式アカウントからの通知も受け取ることができる。いずれも無料。

　メール配信サービスの登録は専用フォーム（ｈｔｔｐｓ：／／ｐｌｕｓ．ｓｕｇｕｍａｉｌ．ｃｏｍ／ｕｓｒ／ｅｎｖ／ｈｏｍｅ）。ＬＩＮＥ登録はアプリを起動し、ホームかトークの画面で「環境省」を検索するか、友だち追加画面で「＠ｋａｎｋｙｏｊｐｎ」をＩＤ検索すればよい。