歓喜の富島スタンド－３年ぶり夏２度目だ

本紙掲載日：2022-07-28

1面

格好良かったし誇り

◆保護者会安藤会長・成長する姿に感動

　第１０４回全国高校野球選手権宮崎大会決勝は２７日、宮崎市のひなたサンマリンスタジアムであり、富島が２―０で宮崎西を破って３年ぶり２度目の夏の甲子園出場を決めた。富島の応援には生徒や教職員、市民らが駆け付け、メガホンをたたいてエールを送った。（６、７面に関連記事）

　同高からは生徒、教職員約１８０人が訪れ、前回の甲子園時にそろえたポロシャツ、メガホンで一塁側を青色に染めた。「前日に動きを確認した」というダンス部（細矢こころ部長、２２人）は、チアリーダーとして応援に花を添えた。

　試合は１回裏に先制するも、３回表が終了後、大雨で中断。心配そうに天気の回復を祈った。その中には３年前の甲子園出場メンバーらＯＢの姿も。主戦として活躍した黒木拓馬さん（２０）、捕手で支えた黒田直人さん（２１）＝共に横浜市＝は、「大学の野球部の休日に合わせ、弾丸で見に来た」といい「何が何でも試合をして、甲子園を決めてほしい」と願った。

　試合が再開されると、太鼓のたたき手として応援を引っ張る野球部員の寺原要人さん（１年）の力強い音に合わせ大盛り上がり。人数の多い相手に、メガホンを力いっぱいたたいて対抗した。

　追加点が出ない苦しい展開が続く中、８回裏のチャンスの場面では、速いテンポで相手にプレッシャーを与える「チャンステーマ」で後押し。１点追加で最終回を迎えると「あと３人」と祈るように見守り、アウトを取るたび、スタンドも「いいね」のポーズで喜んだ。優勝が決まると飛び跳ね、メガホン同士のタッチで歓喜に沸いた。

　寺原さくらさん、田中小和さん（３年）は、「『俺たちの代で甲子園に連れて行く』ってずっと言ってくれていた。かっこよかったし誇り。甲子園でも悔いのないプレーで最後まで楽しんで」と興奮冷めやらぬ様子。ダンス部３年の黒木梓さんは「甲子園までに複数種類のダンスを覚える」と早速、気持ちを切り替えた。

　小川晴彦校長は「正月明けに監督から『今年は必ず甲子園に行きます』と言ってもらい、ひたすら信じていた。うれしいしホッとした」と笑顔。

　センバツ出場時のメンバー甲斐裕人さん（２２）＝山口県萩市＝は「感動した。県代表として全力プレーし、甲子園での初勝利を目指してほしい」。保護者会の安藤雅喜会長（４８）は「１試合ずつ成長する姿に感動した。甲子園に行った先輩たちに弟のようにかわいがってもらった世代。弟たちが、甲子園での忘れ物を取りに行く」と甲子園での１勝を期待した。

◆甲子園でひむかの風を－日向商議所の三輪会頭
市長－明るくなる話題に感謝

　富島が３年ぶり２度目の栄冠に輝き、夏の甲子園切符を勝ち取った。地元の日向市は喜びに沸き、甲子園での活躍に期待を寄せた。

　十屋幸平市長は「コロナ禍での市民が明るくなる話題に感謝したい。これも監督をはじめ、先生、保護者などの協力、そして選手皆さんの努力、チームの団結力が最終的にこの結果に結びついたと思います。甲子園でのさらなる活躍を祈ります」とたたえた。

　日向商工会議所の三輪純司会頭は「やったー！ＧＯＯＤＪＯＢ富高野球部！はつらつとひむかの風をヒューっと吹かしてくれ」と喜んだ。

　日向市観光協会の黒木繁人会長は「素晴らしい優勝だった。必死に白球を追いかける選手の姿に感動した。コロナ禍の中で輝く希望になった。甲子園では上を目指してほしい」と期待を込めた。

　決勝を球場で応援したという富島高校の同窓会「富友会」の三輪正明会長は「僅差の締まった素晴らしい試合だった。主戦の日髙君が好投し、バックもよく守った。絶対に優勝すると信じていた。大阪や東京などの各支部からも次々と喜びの連絡があり、協力の打診が届いている。選手たちが甲子園でのびのびとプレーできるようサポート態勢をすぐさま整えたい」と話した。