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台風被災、事業所の片付けまだまだ

本紙掲載日:2022-10-11
3面
県内外から駆け付けて活動している九災対ボランティア(延岡市北方町の曽木地区で)

延岡市北方町で支援活動−九災対

 九州内の災害ボランティアをつなぐ九州防災・減災対策協議会(九災対)が8〜10日、台風14号で被災した延岡市北方町で活動し、県内外から駆け付けた有志らが商店の片付けなどに汗を流した。

 九災対には県北の特定非営利活動法人五ケ瀬自然学校(五ケ瀬町鞍岡)をはじめ、福岡、熊本、大分、佐賀など九州各県を拠点とするボランティア組織が登録。支援企業が賛助し、大規模災害時には各地の行政、社会福祉協議会などと連携し、現地の要望に応じて人材を募集・派遣している。

 今回は宮崎市のNPO法人宮崎文化本舗(石田達也理事長)が本県の事務局(窓口)となり、九災対が資機材を準備。3連休を利用するなどして各地からボランティが参集した。

 一行は北方町内のうち、泥を多く含んだ濁流の浸水被害に見舞われた曽木地区や川水流地区を中心に活動。市や社協へはすでに民家からの支援要請は寄せられていないとして、商店などの事業所を中心に困り事を聞いて回り、求めに応じた。

 初日は20人ほどのボランティアが集まり、約半数が曽木地区の商店で活動。同店は食料・日用品販売と水道・ガス設備の修理工事など営んでいるが、商品から資材まで全て水没したという。

 スタッフは、剥がれたり破損した倉庫の壁や使えなくなった器具をトラックの荷台に集積。設備修理に用いる部品類をひとまとめにして、貸し出された高圧洗浄機や手洗いで丁寧に汚れを落とす地道な作業を繰り返していた。

 支援を受けた店主の湯川弘一さん(64)は、「従業員だけではとても手に負えず、ボランティアに入ってもらい本当に助かります。また頑張りたいと思います」と感謝。大分市から参加した公務員の永徳信吾さん(39)は、「休みで家にいるより、少しでもお役に立てないかと申し込みました。まだ浸水の跡が残り、住民の方の大変さを痛感しています」と黙々と体を動かしていた。

 九災対は当面の計画として、今月30日までの毎週土・日曜に活動することにしており、北方町に続いて後半は同市北浦町の下阿蘇海岸で流木など漂着ごみの撤去・分別に取り組む予定。宮崎文化本舗の石田理事長は「ボランティア希望者は随時募集しています。海岸での活動はぜひ、企業や学校単位で参加していただければ」と期待している。

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