美郷町から３個人・団体

本紙掲載日：2021-03-10

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県農産園芸特産物総合表彰を受けた（右から）田村さん、濵田さん、大野部会長

県農産園芸特産物表彰

◆野菜・米・果樹生産で貢献

　今年度の県農産園芸特産物総合表彰で、知事賞などを受けた美郷町の３個人・団体の表彰式が２月２６日、同町の西郷ニューホープセンターであった。例年２月に宮崎市で総合表彰式を開いているが、今年度は新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止。表彰は県内の各支庁・振興局を通じて贈られた。

　表彰を受けたのは、野菜共進会産地づくり部門で優等、特別賞の農林水産省生産局長賞などを受賞した田村勝幸さん（５７）＝西郷田代、ミニトマト＝、うまい米づくりコンクール普通期水稲の部で２等を獲得した濵田卓候さん（７４）＝南郷神門＝、果樹共進会産地づくり部門１等、特別賞の県経済農業共同組合連合会代表理事会長賞を受けた町さいごう完熟金柑（きんかん）部会（大野節夫部会長、３１戸）。

　式では、県東臼杵農林振興局の職員が審査概要を報告。それぞれに賞状が手渡された後、田中秀俊町長が「長年の苦労、精進のたまもの。これからも体に気を付けて（農産園芸特産で）町のＰＲもしていただきたい」とあいさつした。

　審査概要によると、田村さんは、同町がミニトマトを生産する上で条件不利地とされる中山間地域であるものの、町の環境に合う品種選定と栽培方法の検討を実施して品質を向上。その栽培管理の方法を研修会や意見交換会で提供するなど地域農業の発展に貢献している。

　濵田さんは、出穂期の高温や登熟期の日照不足など厳しい環境の中でも品質向上のための肥培管理を徹底するなどし、高い食味と品質を確保。地域生産者の中心的な存在としてうまい米作りに意欲的に取り組んでいる。

　金柑部会は、技術的に優れているだけでなく、ブランド果樹産地となった地域を振興当初からけん引。県内で唯一の収穫体験を含めた「きんかんヌーボー」や「きんかん祭り」を開催し、ＰＲに取り組んでいることが評価された。

　田村さんは、栽培を始めた当初を振り返りながら「やる気を持ってやれば全国に負けない産地になれる。一生懸命やってきて良かった。町の一つの産業としてますます発展するよう、自分ができることをやりたい」、濵田さんは「身に余る受賞で最高の喜びです。気力と体力の峠を越えていますが、これからも地元の安全でうまい米作りに努めていきたい」と抱負。

　また、大野部会長は「植栽されて３０年、農家は高齢になってきている。後継者も少しずつは出てきているが、これから先、９ヘクタールのハウスをどう守っていくのか。ご指導、ご支援をたまわりながらこのブランドを末永く守っていきたい」と述べた。

　県は先月２日、今年度の県農産園芸特産物知事賞受賞者などを発表。米、野菜、花き、果樹、茶、葉たばこのコンクール、共進会で優秀な成績を収めた７部門５０個人・団体が知事賞に選ばれた。