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(ラミネート加工は300円追加) |
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延岡出身吉田教授−名古屋大のグループが発見
◆シリカ成分の球状コンクリーション
延岡市出身で名古屋大学の吉田英一教授(環境地質学・名古屋大学博物館)を中心とする研究グループが、内部に石油を保存するシリカ(二酸化ケイ素=ガラスの主成分)成分の球状コンクリーションを発見し、その形成プロセスと、球状シリカコンクリーションの形成速度が従来説よりもはるかに速くできることを世界で初めて解明したと名古屋大学が発表した。研究成果は英科学誌電子版サイエンティフィック・リポーツ(2月19日付)に掲載された。
球状コンクリーションは、地層中にできる球状の岩石。同研究グループは長年、その研究と工学的応用に取り組んでおり、吉田教授は球状コンクリーション研究の世界の第一人者で知られる。
今回、詳しく調べた球状シリカコンクリーションは、調査で入った米ユタ州で数センチから10センチくらいの大きさを複数見つけた。球状シリカコンクリーションはこれまでに世界各地で見つかっているが、石油を内包したものが見つかるのは初めてのことという。
同研究グループは、形成過程について詳細な調査分析を実施。最初は腐食によって酸性化した魚のふん(有機物)の周りに、地層中のアルカリ性の地下水が中和反応することにより、地下水に溶けていたシリカ成分がふんを取り囲むように沈殿。徐々に厚くシリカの殻で覆われてコンクリーションが形成され、内部に閉じ込められたふん中の有機物が「その後の地質学的熟成」によって石油に変化したことを突き止めた。
シリカを主成分とするコンクリーションの明確な成因や形成速度は謎とされていた。形成速度についてはこれまで「数万年程度はかかる」と考えられていたが、同研究グループは「数年程度と非常に速く形成される」と今回研究で解析した。
研究成果を踏まえ、吉田教授は「これまで進めてきている炭酸カルシウム(が主成分の)球状コンクリーションの応用化と同様に、シリカコンクリーション形成の仕組みは例えばトンネルや地下構造物周辺岩盤などの隙間を埋めて水漏れを防ぐシリカシーリング技術としての応用が期待できる」としている。また、古代のシリカを主成分とする石器産地など考古学上の考察にも役立つとしている。