「勉強する気持ち増えた」−日本語教室

外国人２１人が修了−延岡

　延岡市内の企業で働いている外国人を対象に、昨年７月から開かれてきた日本語教室が１０日、全１８講座を修了し、ベトナム人ら受講生２１人に修了証書が手渡された。

　同教室は外国人労働者の増加を背景に、企業からの要望に応じて市が今年度初めて実施した。慣れない日本での生活を支え、孤立させないコミュニティーづくりに取り組む「外国人材地域交流促進事業」の一つ。市内１０企業からベトナム人、フィリピン人、バングラデシュ人の計２１人が受講した。

　受講生は日本語の能力に応じてクラス分けされ、日本語能力試験の合格を目指して９カ月間、同市中小企業振興センターを会場に日本語の文法、会話、漢字を基礎から学んできた。また、昨年１２月には市内の日本人ボランティアとの交流を通し、正月の風習などを学んだという。

　花菱精板工業（大武町）で働くベトナム人のチャン・ナム・クンさん（２２）は「日本語だけじゃなく、日本の生活や文化を勉強できたことが楽しかった。勉強する気持ちがどんどん増えた」と話した。

　講師の原田真理さん（４１）＝宮崎市＝は「初めは皆さん緊張していたようだが、日本人ボランティアとの交流などを通し、より日本語が身近に感じられるようになったのではないか。会社と家を往復する日々の中、日本語教室は会社を超えて集まれる居場所でもあり、そういう意味でも意義は大きかったように感じる」と話した。

　受講生は期間中、基本的な日本語を理解することのできる日本語能力試験の「Ｎ４」「Ｎ５」レベルに合格。中には、さらに上の「Ｎ３」レベルに合格した受講生もいた。