販売総額、目標上回る

２０年東臼杵郡市畜連総会

◆子牛、成牛合わせ２５億円

　東臼杵郡市畜産農業協同組合連合会（楠田富雄会長）の第７０回通常総会はこのほど、延岡市櫛津町の同会館で役員が出席して開かれた。コロナ禍に見舞われた２０２０年度の子牛と成牛合わせた販売総額は２５億８８４３万円で、前年度の２７億４２５２万円には及ばなかったものの、目標２４億３５２１万円を上回った。

　取り扱い頭数は、子牛が目標３５５０頭に対して１００％の達成率で金額は２３億３９６１万円。目標としていた２２億３６９３万円を上回った。成牛は目標５８３頭を上回る６４５頭、金額も２億４８８２万円と目標１億９８２８万円を上回ったことが報告された。

　コロナ禍の影響を受けて、子牛の価格は昨年度３月期の競りで５０万円台に下落。通年でも大幅な下落が危惧されたが、「肉用牛肥育経営安定交付金」の算定基準変更や和牛肉保管在庫支援緊急対策、ＧｏＴｏキャンペーンなどを受けて、秋口から前年並みに回復。平均価格で６５万９０４６円と前年比で２万７７８３円の下落にとどまった。

　楠田会長は「管内の子牛の評価は高い一方で、畜産農家は減少傾向にある。現在、４５６戸がありますが、６０歳以上が７１％、飼育頭数１０頭未満が７２％です。生産農家が継続していくためには畜連、ＪＡが協調して、信頼される安心・安全な市場運営に努める必要があります。生産者の所得向上につなげるために、今年は管内の農家で意見を聞いて実情を把握し、行政にもアプローチするなどの取り組みを進めたい。生産者の意欲を高めることが畜連とＪＡの使命。今後も皆さんと協力しながら、盛り上げたい」とあいさつした。

　議事では、２０年度の事業報告と決算案、２１年度の計画と予算案を審議。いずれも原案通り承認された。２１年度の取り扱い目標頭数は子牛３４８０頭、成牛５４０頭で、金額は合計２４億３１０２万円とした。

　子牛価格は昨年並みの相場と予想されるものの、コロナ禍の収束が見通せない中で、外食とインバウンド向けの需要予測が立たず牛肉の消費は低迷しているとし、在庫状況が枝肉価格に影響する可能性を考慮した。

　厳しい経営環境にあるが、ＢＬ（牛伝染性リンパ腫）清浄化を前進させるためにＪＡや行政・関係機関と生産者が一体的に取り組むことと、販路拡張や購買者誘致に努め、市場の活性化と販売力の強化を図ることで和牛農家の経営安定と市場の安定基盤確立に取り組むことを確認した。