富島高、団体優勝－速度の部

本紙掲載日：2021-07-09

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県高校ワープロ競技大会の速度の部で団体優勝を飾った富島高ワープロ部

県高校ワープロ競技大会

◆個人でも好成績－九州・全国大会へ

　第６８回全国高校ワープロ競技大会と第６２回九州地区高校ワープロ競技大会の予選を兼ねた第６９回県高校ワープロ競技大会（県商業教育研究会主催）のワープロ速度の部で、県立富島高校ワープロ部（田邊愛和顧問、黒田香琳部長、１３人）が団体優勝を飾った。今月２６日にリモート開催される九州大会、８月４日に愛知県で開催される全国大会への切符をつかんだ。県北勢はこのほか、延岡商業がワープロ技能の部で準優勝、速度の部で３位に入った。

　第６８回全国高校ワープロ競技大会と第６２回九州地区高校ワープロ競技大会の予選を兼ねた大会は、新型コロナウイルス感染防止対策として参加９校でリモート開催された。

　部門は、制限時間１０分で与えられた原稿をより早く正確に打ち込む「速度」と、課題の通信文書を作成する「技能」の二つ。速度に９校８０人、技能には８校４２人が出場。それぞれ個人競技を兼ねており、各校上位３人の合計点数で団体の順位を決めた。

　富島は速度に９人、技能に５人がエントリー。このうち、速度では個人競技で黒田部長（３年）が優勝、村岡浬瑚さん（２年）が準優勝、古庄純加さん（同）が優良賞を獲得。３人の合計純字数（総字数からミスを引いた数）は３６６５字で、２位の日南振徳を７３字上回った。黒田部長と古庄さんはノーミスで正確賞も獲得した。また、技能では川邊蘭さん（同）と片伯部莉奈さん（３年）が優良賞を獲得したものの、４位だった。

◆「３年で上位」現実に－基礎徹底で頂点つかむ

　同部の優勝は、タイプライターで競っていた１９８８年の前身大会が最後。ワープロで競う現在の大会になってからも長らく頂点から遠ざかっていた。

　２０１９年、全国大会の常連校である延岡商業から赴任した田邊顧問は「当時、パソコンなどの機材も整っておらず、練習も身が入っていないし、全く打てない環境だった」と振り返る。

　この年、３年生が県大会で引退すると、部員数わずか４人に。再スタートを切る際、「ここから３年で上位に入る。富島が台風の目になる」と田邊顧問は決心。当時１年生だった黒田部長も「田邊先生の話を聞き、九州、全国を目指したいと思うようになった。まずは部員を増やすことをやった」という。

　これまで所属校を幾度も全国大会に導いた田邊顧問は、豊富な知識と経験からさまざまな練習方法を持ち合わせていたが、基礎を徹底させることに注力。キーボードを打つ姿勢から課題用紙の見方、パソコンの知識などを指導した。加えて「緊張感を持って練習し、本番ではリラックス」するよう何度も呼び掛けてきた。

　今大会は初のリモート開催。会場はいつも練習しているパソコン室だが、各会場をウェブ会議システム「Ｚｏｏｍ」でつなぐためのモニターが設置された。

　前日の練習の時は、モニターやシステムが気になり、ミスを連発する選手もいたが、「当日は普段通りにできた」と田邊顧問。ミスに強い黒田部長、２年生になり一気に実力を付けてきた村岡さんが力を発揮。３番手の古庄さんも試合でのベストを出し、栄冠を手にした。

　古庄さんは「これまで入賞したことがなかったので、練習してきた成果が出せてうれしい」、村岡さんも勝利を喜びつつ「緊張すると指が震えるので、さらに緊張感を持った練習をしていきたい」と意気込んだ。

　黒田部長は「先生のプレッシャーに耐えてやってきて良かった」と笑顔を見せ、初の全国へ「これまで以上の結果を出して入賞を目指す。緊張もあるだろうけど、修学旅行も無かったので楽しみたい」と話した。

　各部門の１位と県北関係の成績は次の通り。

■ワープロ速度の部■
【団体】
①富島（黒田香琳、村岡浬瑚、古庄純加）③延岡商（河野有希、宮脇治花、髙橋愛）

【個人】
①黒田香琳（富島）②村岡浬瑚（同）③河野有希（延岡商）③宮脇治花（同）▽優良賞＝古庄純加（富島）▽正確賞＝黒田香琳、河野有希、古庄純加

■同技能の部■
【団体】
①都城商②延岡商（古賀詩織、矢野三捺、矢山真依）

【個人】
①日髙乃々葉（日南振徳）②古賀詩織（延岡商）③矢野三捺（同）▽優良賞＝川邊蘭（富島）片伯部莉奈（同）矢山真依（延岡商）