サッカーの中田さん、スペシャルトーク

２度の延期、ようやく実現−創立１０周年記念、延岡ＹＥＧ

◆好きじゃないと努力できない−だから楽しいと思うことを選ぶ

　延岡商工会議所青年部（堀田敏男会長）創立１０周年記念の中田英寿スペシャルトークイベント「信念を持って〃楽しいこと〃を」が２２日、同市東砂浜町の延岡総合文化センターであり、県内各地から訪れた約１１００人の来場者が中田さんの思いに耳を傾けた。

　中田さんは山梨県出身の元プロサッカー選手で日本代表でも中心選手として活躍。２００６年に現役引退後、日本各地を巡る旅をスタートした。

　旅で出会ったヒト、モノ、コトを紹介する公式ＷＥＢメディアを展開し、ラジオ番組のナビゲーターを務めるなど、日本文化の普及に大きく貢献している。

　オープニングでは西階中学校吹奏楽部が演奏を披露。堀田会長は、コロナ禍で２回の延期を余儀なくされても開催を熱望したことに触れ「苦しい時こそ道を見つけ、挑戦することが私たちの責務」「延岡ＹＥＧ（同青年部の通称）ここにあり」と高らかに開会を宣言した。

　登壇した中田さんは「久しぶりの大きなイベントなので楽しみにしてきました」とあいさつし、客席の心をつかんだ。

　テレビ宮崎アナウンサーの武田華奈さんが司会を務め、質疑応答形式で進行。

　中田さんは現役時代の経験を交え〃楽しいと思ったことしかやらない〃という自身の信念について語った。

　自身がサッカーを始めた頃は日本にはまだプロがなく、その当時の目標について聞かれると「何かを目指せる環境ではなかった」とし、「うまくなりたいから頑張った。そのための方法を考えることが好きだったんでしょうね」と振り返った。

　さらに「好きなことを続けるのは楽ではない。でも好きじゃないと努力できないし結果も出ない。だからこそ楽しいと思うことを選ばなくてはいけない」と続けた。

　コロナで世間が様変わりしたことについては「コロナじゃなくても生活は変わる」ときっぱり。

　「常識を変えたのが偶然コロナだっただけ」と強調し「できないことに文句を言っても仕方ない。変えられることを変えるのが大事」と、中田さんなりのエールを送った。

　来場者たちは、好きなことだけを本気で追求する中田さんの言葉と揺らがぬ信念に終始引き込まれていた様子。同イベントは全国の商工会議所青年部や、同市の中学校、高校にも限定配信され、ＳＮＳ（ソーシャルネットワーキングサービス）を通じてリアルタイムで寄せられた質問に、中田さんが回答する一幕もあった。