自動通話録音機に効果

うそ電話など不審電話「かかってこない」「減った」

◆県警が被害防止に貸し出し、利用中の高齢者にアンケート

　県警本部生活安全企画課は６日、うそ電話詐欺被害防止対策として、自動通話録音機を貸し出している県内の高齢者１００人のアンケート結果を公表した。全員が設置後、不審電話が「かかってこない」「減った」と答え、被害防止と不安解消の効果が分かった。

　自動通話録音機は、通話開始前に「この電話は、振り込め詐欺などの犯罪被害防止のため、会話内容が自動録音されます」と自動音声で告げ、通話を録音する機能が付いている。固定電話を利用したうそ電話詐欺などの犯罪被害防止に効果が期待されている。

　県警本部では２０１４年から配備を始め、今年８月末時点で２３０台を希望した人に貸し出している。

　アンケートは機器の有効性などを確認する目的で８月３１日から９月１７日まで実施。貸与された県内全域の６０〜９０代の１００人を対象とした。そのうち、７９人は機器設置前に不審電話や迷惑電話を受けたことがあったという。

　設置後に被害を受けた人はおらず、９５人が被害防止効果を認めた。また、９２人は不審な電話などへの不安が「なくなった」「少しはなくなった」と答えた。

　８７人が設置により防犯意識が高まったと答え、９９人が今後も同様の機器を利用したいとした。

　回答では、「迷惑電話が減り、安心した生活が送れるようになった」「１人暮らしで不安だったのでとても助かっている」「離れて暮らしている子どもも安心している」「電話への不安が解消され、心に余裕ができた」などの意見が寄せられたという。

　同課によると今年８月末時点で、県内のうそ電話詐欺被害は前年同期比２件増の９件で、被害額は約４５００万円増の約５１２６万円となっている。

　同課は「調査により効果が認められた。普及率を高め、被害防止に役立てたい」。県警では現在、４０２台を県警本部や県内各所に配備し、２３０台を貸し出し中。希望者には６カ月間貸し出しており、一般での購入もできる。