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虎の子便、5万人到達

本紙掲載日:2021-10-14
3面
5万人目となった壱岐さん(左)と、虎彦の吉弘営業部長=11日、延岡市春日町(提供写真)

虎彦の移動店舗−節目は春日町の壱岐さん

 延岡市幸町の風の菓子虎彦(上田耕市代表)の移動店舗「虎の子便」の来店者が11日、累計で5万人に達した。節目の客となったのは春日町の壱岐広子さん(93)。毎月「虎の子便」が訪れる日には、自宅前にいすを出して待っていてくれる常連さんという。

 営業部長の吉弘和泉さん(34)から、「5万人目です。おめでとうございます」と告げられた壱岐さんは、まず驚き、次に笑顔に。花束や記念品などを受け取ると「ありがとう。うれしい。買いに行けないので、毎月来てくれる日を待っているの」と話し、吉弘さんと一緒に記念写真に収まった。

 同店は昨年5月、コロナ禍で客足が落ち込む中で活路を見いだそうと、上田代表のアイデアで移動販売を始めた。「お菓子そのものが見限られた訳ではない。店に来ることが難しいなら、店の方から出向こう」と、配送車を改造した「虎の子便で」、延岡市南部から訪問販売を展開し、現在では市内はもとより、西臼杵郡や東臼杵郡へもエリアを拡大。好評を博している。

 吉弘さんは「人数を目標にしている訳ではないので、今までもこれからも特に意識はしません。ですが、決まった日に待っていてくださる方がいる。買ってくださる方がいる。そういうお客さまに支えられていることを実感すると、私たちは大きな励みになります」と感謝を口にしていた。

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